導入事例SnowflakeからQUICKのデータにアクセス
人もAIもデータ利活用できる環境づくりへ

三菱UFJ信託銀行
デジタル戦略部 ジュニアフェロー 西潟裕介氏
三菱UFJトラストシステム
デジタル推進部 下木健太 氏 吉川泰史 氏
※写真左から- ご利用中の製品
- QUICK APIs on Snowflake
三菱UFJ信託銀行は25年1月、QUICK APIs on Snowflakeを導入しました。SaaS型データプラットフォームの Snowflake 上で、QUICKが提供するデータを共有し、様々なデータ分析に活用できるサービスです。個別に行っていたデータ収集の手間が省け、データを利用できるようになるため、データ共有がスムーズになり、活用の幅が広がりました。Snowflakeを通してデータ利活用を行う狙い、システム開発を進めるうえでのQUICKのデータに期待する効果、今後の展開などについてお話を伺いました。
導入の効果とポイント
- 複数部署でのデータの共同利用に対する課題感
- データへのアクセス工程を簡素化
- 最新かつ正確なデータ提供を担保
Q.QUICK APIs on Snowflakeを導入した経緯、狙いについてお聞かせください。
西潟氏
私が所属するデジタル戦略部では、現在、全社的なデータ利活用を推進しています。当社は信託銀行という特性上、リテールや不動産など約10の事業分野があります。それぞれの分野でPoC(概念実証)を進めながら、全社を横断する形でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しているところです。
実は、当社では2019年からAPIを通してQUICKのデータを取得し、複数の部署で利用する取り組みを始めていました。しかし、データは我々の方で加工して使っており、多くのツールが部署ごとの端末で動作することに加え、端末数にも限りがあったため、データもツールも共同で利用するのが難しい状態が数年間続いていました。
今回、QUICKとSnowflakeを利用したデータ連携が可能だと伺い、相談を進める中で、データの加工やプログラムの実行についてもハードルが高くないとわかりました。そこで、既に課題となっていたコーポレートガバナンス報告書のデータ利活用について、まずは3部署を対象に始めてみることにしました。
Q.実際に導入してみて、どのような効果を感じられていますか。
西潟氏
まずは利用していたサービスの処理が遅いという問題が解消されました。また、データをダウンロードするために個別サービスを操作する手間もなくなり、データへのアクセスがかなり簡素化されました。ユーザーはインフラの変更を特に意識することなく、これまで通り安定してデータを利用できているようです。
私たちも、データベースの管理にかかる負担が以前に比べて減り、その分データ利活用がしやすくなったと感じています。プラットフォーム上で提供されているデータを直接確認できるため、利用者からの問い合わせに対応する際の管理負担が減ったことも大きなメリットです。
クラウド上でデータが共有されているため、常に最新のデータにアクセスできる安心感があります。データの正確性や鮮度という点でQUICKに対する信頼は高く、システムインフラ側としては、この安心感がQUICKを利用する大きな価値につながっていると考えています。
下木氏
QUICKはもともとデータ仕様のマニュアルがしっかりしており分かりやすいため、Snowflakeへのテーブル展開もスムーズに進めることができました。QUICKの担当者がデータや製品についてきちんと理解しているからこそ、開発が円滑に進んだと、彼らとのやり取りを通じて強く感じています。
吉川氏
Snowflakeでコーポレートガバナンス報告書データを使いたいという話が出た時、おそらく前例がないにもかかわらず、QUICKは非常に前向きに受け止めてくれました。そのおかげで、開発もスムーズに進んだと思っています。このような柔軟な対応は、私たちにとって大変助かっています。
今後、定期的な環境メンテナンスに関しても、データをSnowflakeで共有していることで、保守にかけるリソースを削減できるのは大きなメリットだと感じています。
Q.今後、社内での横断的なデータ利活用についてどのような展望をお持ちですか。
西潟氏
今回の事例を参考に、他の部署からも「同じ仕組みを使いたい」という声が上がることを期待しています。これは、これまで各担当者の手元で行っていた分析作業をなくし、クラウド環境で誰もがデータ分析できる仕組みを構築する第一歩になると考えています。我々デジタル戦略部には、「人もAIもデータを自由に扱える世界を作っていきたい」という強い思いがあります。これを全社的に推進していくことが、大きなミッションです。人とAIがデータを使いこなせる基盤を作るため、現在、どこにデータを置くのが最適か、どのようなユースケースを増やせばその世界に近づけるのか、試行錯誤しているところです。
限られた人員の中で、Snowflakeのような基盤はメンテナンスの負担が軽くなる点も助かります。Snowflakeに社内の様々なデータや、QUICKのような外部データを集約することで、少なくともそこにアクセスすれば必要なデータが揃っている状態を作っていきたいと考えています。その延長線上で、誰もがデータを利活用できる基盤へと繋げていくことを目指しています。
今回はコーポレートガバナンス報告書から始めましたが、財務データや企業データを利用したいという潜在ニーズは非常に高いです。今回導入したシステムをもう少し試行的に活用し、同じ仕組みで様々なデータが使える世界を少しずつ実現していきたいと考えています。
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