導入事例モデルポートフォリオ提案で長期運用をサポート
銀行と証券の連携で築く〝ながーーいおつきあい〟
京都銀行
営業本部 個人総合コンサルティング部 部長 辻野周氏
営業本部 営業統括室 室長代理 井上羊子氏
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- QUICK Asset Design Navi
京都銀行は2024年7月に、全資産ポートフォリオツール「QUICK Asset Design Navi」を導入しました。グループ会社である京銀証券との連携を強化し、資産形成のサポートを加速させることを目指しています。ポートフォリオ提案ツールへの期待、今後のポートフォリオ型提案やゴールベースアプローチの展開などについて伺いました。
導入の効果とポイント
- 長期運用を見据え、お客さまの全資産を〝見える化〟
- モデルポートフォリオ機能で提案力を強化
- コンサルティング強化で長期顧客の信頼を得る
Q.QUICK Asset Design Naviを導入した経緯、理由をお聞かせください。
辻野氏
「新・第1次中期経営計画(2023年4月~2026年3月)これまでも、これからも、『ながーーい、おつきあい。』New Stage 2023」でも示している通り、私たちは預かり資産分野において、お客さまの資産運用の相談に本格的に乗ることを目標としています。特に、グループ内に京銀証券があることで、従来の銀行で取り扱っていた投資信託だけでなく、商品の幅が広がり、お客さまの資産防衛の視点から全資産のポートフォリオ提案をどうするかが課題となっていました。資産ポートフォリオという考え方自体がまだお客さまに十分に浸透していないため、まずはお客さまに目で見て理解してもらうためのアウトプットができるツールが必要だと考えました。そこで、営業が使う支援システムとして「QUICK Asset Design Navi」を導入しました。営業担当者自身もシステムを通じて理解を深め、そのアウトプットを基にお客さまと会話することで、双方にポートフォリオ運用の意識を高めることができるシステムです。
今回の導入に際しては、モデルポートフォリオ機能やお客さまの目標金額の実現に向けた運用「新規」提案機能、ツール内で提案した商品を他のシステムと連携して約定する機能などをカスタマイズする予定です。一からシステムを作ると時間もコストもかかりますが、QUICKには基本システムが既にあるため、比較的短期間で当行の要望に合ったシステムを導入できた点は大きな利点でした。
お客さまが資産運用に求めるレベルが高まる中で、金融機関の提案力も同様に高いレベルが求められています。お客さまは短期的な売買ではなく、長期的な資産運用を考えているため、ライフステージに応じて資産を守りつつ、リスクリターンを改善する提案をお客さまの好みに合わせて行うことが重要だと考えています。
井上氏
導入に際しては、要件定義の話し合いの中で、私たちのニーズを丁寧に聞いていただきました。このツールは当行だけでなく、グループ会社の京銀証券も一緒に利用します。銀行と証券ではニーズや考え方が異なるため、両方の意見をうまく取り入れてもらえた点が非常にありがたかったです。
ポートフォリオ提案においては、銀行と証券の区切りを超えて、全資産を一元化してお客さまに見ていただくという共通認識ができてきています。
Q.新ツールの導入でどのような効果を期待していますか。
辻野氏
導入して1カ月が経ちましたが、お客さまの資産全体を「見える化」するという点で非常に重要なツールとなっています。そのため、営業からはさらなる機能拡充を求める声が上がっています。導入時期にマーケットが大きく動いたタイミングでしたが、資産全体を「見える化」ができたおかげで、お客さまから短期売買の動きはほとんど見られませんでした。
井上氏
今後、第2フェーズでは、モデルポートフォリオ提案と約定連携機能が動き出します。
ポートフォリオ提案に関しては、営業もお客さまもまだ馴染みがない段階です。そのため、当行で提案できる商品の中から、より良いものをある程度自動的にモデルとして提示することで、ポートフォリオ提案を定着させていくことを目指しています。
また、10年、20年という長期を見据えた資産形成の必要性を感じているお客さまも増えています。そのため、ゴールベース提案の機能を次フェーズで予定しています。この機能により、お客さまと営業が将来の目標を共有できるだけでなく、それを記録に残すことができます。これにより、5年後や10年後にマーケットが変わった際に振り返りができる点もメリットです。途中で担当者が変わっても提案履歴が残るため、お客さまと情報を共有しながら話を進めることができます。
こうしたポートフォリオ提案やコンサルティングには時間がかかります。一人ひとりのお客さまの話をしっかり聞いて提案を行うため、営業の接客時間が以前よりも長くなっています。そこで、事務的な部分の効率化を図るために、約定連携ツールを導入します。現状では、提案ツールと約定ツールが別々になっていましたが、新ツールでは提案から約定までがシームレスになり、営業の効率化が期待されています。
Q.今後、長期的な資産形成において地方銀行が果たす役割についてお聞かせください。
辻野氏
当行は従来から、地域のお客さまとの長いお付き合いを大切にしてきました。最近では、長期的な資産形成を目指す資産運用業務が地方銀行にとって非常に適した業務になっていると感じています。新NISAなどで投資に対する関心が高まる中、地方銀行の役割はますます重要になっています。投資が初めてで証券会社に行くのはハードルが高いと感じる方にとって、相談しやすい存在であるべきだと考えています。今後は、対面でしっかりと相談したいというお客さまに対して、当行のコンサルティング力が生きてくると思っています。
預金していただいているお客さまの中でも、本格的に運用に取り組んでいる方はまだ少数です。当行としても十分にご案内できていない部分があります。より多くの預金者の方に資産形成のコンサルティングを提供することで、メインバンクとしてお客さまの信頼を得ていくことにつながると考えています。
京銀フィナンシャルグループ 新NISA CM
https://www.youtube.com/watch?v=Fk5r-AQkpRgURL
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