導入事例客観的な企業分析が、投資家との「共通言語」をつくる
企業価値を可視化し、対話の質を深めるリサーチの力

アドソル日進
経営企画室広報IR部
部長 仲本敦子氏(左)
國津莉菜氏(右)
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- QUICK & NOMURA Corporate Research
アドソル日進は2024年3月、QUICK&NOMURAコーポレート・リサーチ(以下、Q&Nリサーチ)のサービスを、初の導入企業として採用しました。
本サービスは、QUICK企業価値研究所のアナリストが取材をもとに企業理解を深めるレポートを日本語・英語で作成し、国内外の投資家に広く配信するスポンサード・リサーチです。個人投資家向けに「簡略版」も用意しています。
今回、アドソル日進で広報・IRを担当する仲本敦子氏と國津莉菜氏にインタビューを実施。同社が抱えていたIRの課題をはじめ、導入の経緯や効果、今後の展望について詳しくお話を伺いました。
導入の効果とポイント
- 第三者視点の分析によって、自社では伝えきれなかった企業価値を可視化
- 日英両言語のレポート配信で、国内外の幅広い投資家層へアプローチ
- アナリストが投資家目線でストーリー化
Q. 御社がIRを進める上で感じていた課題について教えてください。
國津氏
当社は電力やガスといった社会インフラを支えるシステムを手がけていますが、一般消費者の目に触れにくく、事業内容や強み、自社の価値を投資家の皆様に理解していただくのが難しいという課題を抱えていました。
例えば「スイッチを押せば電気がつく」のは日常の当たり前ですが、その裏側でどのようなシステムが動いているかを想像するのは容易ではありません。自社の強みを説明しようとしても、「高い技術力」や「確かな信頼性」といった他社にも当てはまる抽象的な表現になりがちで、個人投資家向けページや決算説明資料の作成においても、自社独自の価値をどう言語化すべきか苦慮していました。

仲本氏
当社のIRは、これまでどちららかというと個人投資家を意識した活動が中心でした。当社の時価総額規模だと、一般に証券会社(セルサイド)のアナリストによる調査レポートが発行されにくい傾向にあるため、機関投資家の目に留まる機会が限られていたからです。特に海外の機関投資家へアプローチする手段が不足していることに加え、外部からは当社のビジネスモデルが理解されにくいという課題もありました。しかし、プライム市場に上場している以上、海外の機関投資家にも当社の株式を保有してもらいたいと考えています。そのためには、事業の実態や強みを客観的に伝え、投資家からの認知・理解を深める「数字と根拠に基づく第三者視点のレポート」が不可欠だと感じていました。
Q. Q&Nリサーチを導入した経緯と効果についてお話しください。
仲本氏
スポンサード・リサーチを提供する会社は複数ありますが、海外の機関投資家への情報発信を強化するうえで、「QUICK」「NOMURA」という高い信頼性を持つブランドを通じて客観的な分析を届けられる点が、Q&Nリサーチを選んだ大きな決め手でした。国内だけでなく海外へも英文で発信、良質な個人投資家へも発信できる点も、まさに当社のニーズと一致していました。
そもそもスポンサード・リサーチの最大の利点は、第三者の視点から自社を分析・発信してもらえる点にあります。私たち当事者自身が事業や将来性を語ろうとすると、定量データや論理に基づいた説得力よりも主観的なビジョンやパッションに偏ってしまうこともままあります。結果として、どれだけ一生懸命説明しても投資家に響ききらないもどかしさがありました。
もちろん、企業側が費用を負担している点に対する受け止め方は様々かもしれません。それでも、プロの客観的な視点で数字や根拠を示しながら解説してもらえることは、個人投資家にとっても機関投資家にとっても大きな意味があり、外部からの信頼獲得につながっています。
さらに、このレポートは投資家との対話においても心強い味方になっています。時に厳しいご意見をいただいたり、海外市場のシビアな目線で評価されたりする際、第三者の分析としてレポートの内容を提示できることは、私たちにとって確かな拠り所になります。自社視点の主張にとどまらず、客観的なエビデンスをもとに対話を進められる点に、非常に大きな価値を感じています。

國津氏
機関投資家に向けた配信プラットフォームが充実していることはもちろん、NOMURAのネットワークを通じて、国内の個人投資家層にも広く情報が行き渡る環境が整う点も大きな決め手でした。この幅広い層にリーチできる情報基盤こそが、Q&Nリサーチならではの強みだと感じています。
もう一つ非常に大きかったのが、担当アナリストの専門性の高さです。当社の事業はIT業界の中でも通信キャリアやクラウドサービスとは違い、さらに業界特化型のITシステムを開発しているため、正しく把握するには業界動向やシステム開発への深い造詣が欠かせません。今回担当してくださったアナリストはIT業界での実務経験があり、当社の事業特性を的確に捉えてくれました。こちらの説明をただ文章にまとめるのではなく、背景にある強みまで理解したうえで、プロの視点から論理的に再構築して言葉にしていただけたのは本当に心強かったです。アナリストの知見によってレポートの質は大きく左右されますから、前提知識を持った方に担当していただけたのは大変ありがたいことでした。
レポート公開後は、これまで接点のなかった新規投資家から「レポートを拝見した」とお声がけをいただいたほか、海外籍の機関投資家からも内容について高い評価をいただくなど、確かな反響を実感しています。
このレポートは、単なる会社紹介資料ではなく、投資家が当社を深く理解するための「対話ツール」として機能しています。初めて当社に関心を持った方でも事業の全体像をスムーズに把握できるため、私たちが基礎的な説明を一から繰り返す必要がなくなり、初面談からより踏み込んだ具体的な対話に入れるようになりました。
また、レポート内には同業他社との数値比較や、PER・PBRなどの指標を用いた図表分析も豊富に盛り込まれています。事業会社自身は自社の業績を熟知していても、「市場がどの指標に着目し、どう他社と比較しているのか」という客観的なモノサシまでは見落としがちです。そうした投資家目線の分析を補ってもらえる点も、スポンサード・リサーチの大きな価値だと実感しています。
Q.今後のサービスへの期待やIRを進める上での展望などをお聞かせください。
國津氏
今後、特に力を入れていきたいのは海外の機関投資家へのアプローチです。プライム市場上場企業として、海外の投資家に投資対象として認知され、実際に株式を保有していただくことは重要な目標の一つです。
ただ、海外の機関投資家にとっては、日本のIT市場やSI業界特有の商流・構造が十分に浸透していない面もあります。日本の大手企業とベンダーがどのような関係でシステムを構築しているのか、その中で当社がどう介在し、どこで収益を生み出しているのかといった前提知識から丁寧に解きほぐす必要があります。日本の業界環境を正しく掴んでいただいて初めて、当社の成り立ちや真の強みをご理解いただけるからです。
今後は担当アナリストともディスカッションを重ねながら、「海外投資家の目線で何を説明すべきか」を整理し、レポートのアップデートにも反映させていきたいと考えています。もちろん企業として業績を伸ばすことが大前提ですが、その成長ストーリーと事業の本質を正しく届けるためのIR発信にも全力で取り組みます。
Q&Nリサーチの導入によって、第三者の客観的な視点で自社を整理し、投資家との「対話の入り口」を広げることができました。今後はこの足がかりを活かして海外投資家への訴求を一段と加速させ、当社のビジネスモデルへの深い理解と中長期的な信頼を獲得していきたいです。
仲本氏
最近は投資判断にAIを活用する動きが広がっていますが、その一方で分析が画一化し、誰もが似通った情報をもとに判断を下すようになる懸念も指摘されています。一般的な分析が均質化しやすい時代だからこそ、スポンサード・リサーチには、各企業の本質を深く掘り下げた「独自性のある定性・定量分析」を提供する役割を強く期待しています。
特に当社のような銘柄は、個人投資家の売買が株価形成に大きな影響を与えるため、個人投資家へのアプローチはIR戦略上きわめて重要です。実際、認知度の向上が株価の見直しにつながってきた実感もあり、事業への理解をいっそう深めていただく必要があります。
今後は個人投資家の方々もAIを活用して企業を比較・要約する時代になるはずです。そうした中で、自社の強みや要点が瞬時に伝わる「簡潔で明快な情報」の価値はますます高まるでしょう。
加えて、個別企業のレポートにとどまらず、特定の成長テーマに沿って複数企業を横断するような企画・情報発信にも期待しています。ラージキャップ以外の企業は投資家自らの検索で見つけてもらうハードルが高いため、投資家が新たな企業に出会う「入口」を広げていただけるような展開も楽しみにしています。
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