ESG研究所6月末のESGスコア、クボタが首位 ENEOS、アドバンテストがトップ10
2026年07月06日

アラベスクグループのESG評価サービス「ESGブック」による2026年6月30日時点の日本企業の「ESGパフォーマンス・スコア・プラス(EPSP)」をランキングしたところ、首位はクボタ(6326)だった。ENEOSホールディングス(5020)とアドバンテスト(6857)がトップ10に入った。

ESGパフォーマンススコアは「SASB(サステナビリティ会計基準審議会)基準」の26カテゴリーで評価する指標(QUICK Knowledge 特設サイトでは「合計スコア」と表示)。ESGブックは「E(環境)」「S(社会)」「G(ガバナンス)」の「ピラースコア」と、「環境」「社会資本」「人的資本」「ビジネスモデルとイノベーション」「リーダーシップとガバナンス」で構成される「ディメンションスコア」を算出している。
ESGパフォーマンススコアは企業の開示情報に基づく「コア」のスコアと、企業の開示情報にニュースやNGO(非政府組織)の情報を反映した「プラス」のスコアがあり、プラスのスコアは更新頻度が高い。各スコアはそれぞれ0から100の範囲で算出され、高いほど優れていることを示す。ここでは「プラス」を取り上げる。
日本企業のEPSPの上位10社(図表1)を1年前と比較したところ、首位のクボタ(1年前は3位)のほか、3位のセブン&アイホールディングス(3382、同2位)、5位の伊藤忠商事(8001、同6位)、6位の丸紅(8002、同8位)、10位の大和ハウス工業(1925、同7位)を除く5社が入れ替わった。32位の花王(4452)までが70台と高い評価を受けており、スコアのわずかな差で順位が入れ替わった面もある。

首位のクボタのEPSPは78.78と、1年前の76.18から2.60ポイント上昇した。同社のスコアを四半期末ベースで遡ると、2023年12月末の21位から24年3月末に2位に浮上して以降、2位か3位で安定的に推移していた。首位は初めてだが、高評価が定着した企業と言っても良いだろう。
クボタのディメンションスコアのうち「ビジネスモデルとイノベーション」が91.51と際立っている。「材料の調達と効率」や「製品設計とライフサイクル管理」などのカテゴリーが高い評価を得ているようだ。また「環境」のスコアも89.94と高い(図表2)。

上位10社の中で注目されるのはENEOSホールディングスだ。同社のEPSPは73.23と、1年前の66.35(60位)から6.88ポイント上昇した。ディメンションスコアのうち「リーダーシップとガバナンス」が81.42、「社会資本」は72.44とそれぞれ14.43ポイント、9.88ポイント上昇した。「リーダーシップとガバナンス」では「法規制環境の管理」や「クリティカルインシデント(緊急事態)リスク管理」などのカテゴリーが、「社会資本」では「製品の品質と安全性」などのカテゴリーが高く評価されているもようだ(図表3)。

人工知能(AI)・半導体ブームの中で株価上昇が際立つアドバンテストのEPSPは73.11と1年前の71.86(23位)から1.25ポイント上昇し、トップ10入りした。ディメンションスコアでは「環境」が87.72と高水準にある。1年前との比較では「人的資本」の上昇が目立つ。「従業員の健康と安全」「従業員エンゲージメント、多様性とインクルージョン(包摂)」といったカテゴリーが評価されたようだ(図表4)。
クボタ、ENEOSホールディングス、アドバンテストのこの1年間の株価上昇率はそれぞれ65.57%、67.39%、203.52%(3倍強)で、東証株価指数(TOPIX)の40.03%を大きく上回った。株価とESGスコアの評価は必ずしも一致するとは限らないが、ESGへの取り組みは中長期的に企業価値の向上につながると考えられている。ESGブックは評価機関の1つに過ぎないものの、ESGスコアと株価パフォーマンスがそろって向上した企業は注目に値するだろう。
(QUICK ESG研究所 遠藤大義)
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