導入事例生成AIが顧客の問い合わせに音声で対応
国内大手金融機関初のAIオペレーターサービス導入で新たな顧客体験を

大和証券

大和証券 デジタル推進部

次長 内海春輝氏
課長代理 大竹那緒氏
次長 川﨑稔氏

※写真左から
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マーケットデータAPI

大和証券は2024年10月に、顧客からの問い合わせに生成AIが音声で応答する「AIオペレーター」を導入しました。このサービスは、株価などのマーケット情報や一般的な手続きに関する問い合わせに対応するものです。QUICKは、株価などのマーケット情報に応答するためのAPI開発を担当しました。AIオペレーター導入の背景や目的、顧客サービス向上への効果、今後の展開についてお話を伺いました。

導入の効果とポイント

  • 一般的な手続き方法やマーケット関連情報をAIが回答
  • 実際の問い合わせ内容に基づいたAPIを設計
  • 将来的には、本人認証に基づいた手続きまで対応

Q. AIオペレーターの導入に至った背景や狙いについてお聞かせください。

内海氏

新NISAの開始に伴い、昨年あたりから資産形成に対する関心が高まっています。投資に新たに興味を持ったお客さまからのコンタクトセンターへの電話が大幅に増加していることを実感しています。実際、コンタクトセンターへの入電数は前年比で約1.8倍に増えています。しかし、入電数の増加により、つながりにくい状況が発生するという課題にも直面しています。今後、コンタクトセンターへの需要はさらに増えると予想されるため、そうした状況に対応できる体制を整えることが重要です。

当社はグループ経営戦略の一つとして「デジタルイノベーションの追求」を掲げています。生成AIなどを活用し、業務の効率化やビジネスモデルの変革を目指してきました。これまでの取り組みを基に、今回さらに先進的なAIオペレーターを導入することで、お客さまに新たな付加価値を提供していきたいと考えています。

Q.QUICKのAPI開発、マーケット情報に対しては、どのような期待をしていますか。

川崎氏

当社がオンライントレードなどを通じて提供している情報のソースはQUICKです。また、営業店の現場で見ている株価などのマーケット情報もQUICKのQr1(リアルタイムマーケット情報サービス)を利用しています。会社として同じソースの情報をお客さまにも伝えるという意味で、QUICKの情報は信頼性が非常に高いです。

川崎氏

今回導入したAIオペレーターのAPI設計においては、コンタクトセンターで実際に対応している問い合わせ内容や、お客さまがどのようなマーケット情報を必要としているかを重視しました。情報を幅広く揃えるのではなく、実際にお客さまが求めている情報を詳細に選定してAPIを設計してもらいましたので、ニーズに沿ったサービス提供ができるものになったと思います。

Q.AIオペレーターへの期待、今後の展開などについてお聞かせください。

大竹氏

今後は、お客さまにとって使いやすいサービスにするため、まずはもっと聞き取りやすい回答ができるようにしたいと考えています。そのためには、システム側で回答が生成しやすいフォーマットに対応する必要があります。また、実際に運用してみると、問い合わせの中にAPIが未対応の項目も出てきていますので、追加対応や定期的な見直しも必要になると思います。

川崎氏

用件やニーズに応じて、有人かAIオペレーターを選べるため、有人窓口の待ち時間解消や応答率向上などの効果が期待できます。その結果、有人窓口のオペレーターはお客さまに寄り添ってしっかり話を聞く時間が増え、より良い提案など、1対1対応ならではのサービス提供を推進できると考えています。

内海氏

現在のAIオペレーターサービスは、株価や為替、指数、マーケット情報の照会や、FAQレベルの一般的な手続きに対する問い合わせからスタートしています。例えば、住所変更の問い合わせに対しては、変更方法を答える形です。しかし、最適な回答を考えると、マイナンバーの登録状況や勤務先の変更も必要かどうかを深掘りすることが重要です。単なる一問一答にとどまらず、AIがお客さまの情報を基により良い回答ができるように、さらにブラッシュアップしていきたいと考えています。将来的には、お客さまの情報を踏まえた上で、各種手続きまで完了できるフェーズを目指しています。

テキストによるチャットではなく、あえて音声対応の生成AIを使うことで、どれだけインタラクティブに、かつリアルタイムのマーケット情報に基づいてサービス提供できるかという点は、我々にとっても挑戦的な試みです。コンタクトセンターにお電話してくるお客さまは、マーケット情報への関心が高く、「聞いた方が早い」というニーズも根強くあります。そうした需要にも応えるサービスとして、今後も発展させていきたいと考えています。

 

※「国内大手金融機関初のAIオペレーターサービス導入」に関しては、大和証券調べ。
ChatGPTを利用し、2022年11月から2024年9月20日までの期間で発表された、銀行、証券、信託銀行、生命保険、損害保険、カード、リース会社の売り上げTOP5のプレスリリースを調査。

10月4日 大和証券プレスリリース
「AI オペレーターによるお問い合わせサービス提供開始について」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8601/tdnet/2507527/00.pdf

 

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