導入事例ディーラー経験者から実践的なノウハウを伝授
通貨オプションに精通した人材育成をサポート

横浜銀行

市場営業部トレーディンググループ　グループ長　葉糸秀泰氏
同　石原裕也氏

※写真左から

ご利用中の製品: QUICK Open Skill

横浜銀行は、2024年10月にQUICK Open Skill「通貨オプション業務支援プログラムーオプションディーラー養成カリキュラム」を導入しました。このプログラムは、近年の人材不足が課題となっている通貨オプションのディーラーを養成するための研修です。大手や外資系金融機関でディーラー経験のあるエキスパートが、実践的なカリキュラムを提供しています。
市場営業部の石原裕也氏に、地方銀行における通貨オプションに携わる人材の育成、研修を受講した効果、今後の業務の展望などについてお話を伺いました。

導入の効果とポイント

通貨オプションの知識を持った人材への需要の高まり
書籍からは学べない〝生のオペレーション〟
地場の通貨オプションの潜在需要を開拓

Q.現在携わっている業務についてお話しください。

市場営業部は、トレーディング、資金、市場商品、投資有価証券、グローバル投融資、企画の6つのグループに分かれています。私が所属しているトレーディンググループは、いわゆるトレーディング取引の他、デリバティブを含めた投資全体の為替リスクの管理と資金調達を担当しています。

私は、最初は営業店に配属となりました。その後、行内公募で市場営業部を希望し、現在入行6年目でトレーディンググループに配属されてからは丸3年が経ちました。入行するまで、銀行に為替デリバティブの業務があることを知りませんでした。研修で市場営業部の存在を知り、「銀行でも為替デリバティブができる」と興味を持ちました。それまでは、為替デリバティブといえば投資銀行や証券会社のイメージが強かったです。

当行では、現在、お客さまニーズに応える商品を取り揃えるべく、新たにTARF（Target Accrual Redemption Forward）^※１の導入を検討しています。市場部門としては、商品を拡充するのであれば、オプションディーラーとしての力も強化する必要があると考えました。そのため、外部の専門家からノウハウを学ぶ機会を求めて、今回の研修が導入されました。

※１　為替デリバティブの一種で、特定の為替レートに達するまで一定の利益を積み上げることができる金融商品

Q.実際に研修を受講してみた感想をお聞かせください。

全12回のうち6回が終わったところですが、大変役立っています。特に、行内にノウハウを持った人材が少ないため、ディーラー経験者の生の声が聞けるという点が貴重な経験になっています。例えばブラック・ショールズ・モデルなど数学的、基礎的部分は本を読んで独学でも学べますが、実際のオペレーションの仕方について書かれた書籍は皆無です。それが、この研修では、実際にオペレーションをしていた経験のあるエキスパートから「このケースではディーラーはこういうオペレーションをする」「こういう場面でのリスク管理はどうするのか」といった生の声を聞くことができます。単なる座学ではなく、本からは学べないことを学べていますし、疑問に思ったケースについてエキスパートに具体的に意見を求めることもできます。実際、学んだノウハウを自分の業務を進める上でも結びつけて考えることができるようになりました。

研修には、対面のほか、オンライン会議で参加したり、終了後ビデオ受講もできるため、合計20人くらいが受講しています。中には初心者もいますが、基礎的な部分も網羅された研修で、基礎知識とオペレーションのノウハウの両方が得られる点が有益だと思います。

今回のプログラムでは、この後、ポートフォリオ運営のシミュレーションが予定されており、楽しみにしています。また、12回では足りないくらいで、機会があれば、より高いレベルのカリキュラムなども学びたいと思っています。

Q.研修を今後の業務にどのように生かしていくのか、展望をお聞かせください。

部内の人材育成はOJTが中心ですが、今回の研修が動画教材として残るため非常にありがたいです。今回の研修を通して、現在グループ内の士気が非常に高まっており、ノウハウをきちんと伝えられる体制を作ることで、より良い循環が生まれることを期待しています。

神奈川県は企業数も多く、今後さらに成長が期待できます。現在の円安進行の中で国内回帰も進んでおり、通貨オプションに対する需要もまだまだ潜在していると思います。地元のお客さまのニーズにしっかりと対応していきたいです。また、将来に向けて力をつけ、自行で組成できる商品についても増やしていきたいと考えています。