ソリューション為替デリバティブ業務のスキル向上や体制整備に専門家の知見を活用したい

  • 銀行・金融機関

機能例

為替デリバティブ業務の課題を伺います

通貨オプションを活用した金融商品の拡大に対してテーマとなる専門人財の育成、顧客保護やリスク管理における体制強化等の課題について専門家を交えて面談を行います。

目標に向けて講師とともに伴走支援します

プロジェクトの期間・ゴールを明確にしたプログラムにより、伴走型で支援します。
座学に加えて定期的なアドバイスミーティングを行い、通貨オプションのエキスパートによる専門的な知見の提供と実践に向けた助言を行います。

講師インタビュー今こそ、為替デリバティブの基本を紐解く姿勢を
ニーズの高まりで求められる金融機関の技術向上

 

ヘイルメリーインベストメント

ヘイルメリーインベストメント

代表取締役 宮崎啓介氏

円安基調を背景に、通貨オプションなど為替デリバティブへのニーズが高まっています。大手金融機関だけでなく、地域企業の海外展開支援の一環として、地方の金融機関においても為替デリバティブの数字が伸びています。
ヘイルメリーインベストメント代表取締役の宮崎啓介氏に、為替デリバティブを取り巻く現状や取り扱う上でのリスク、販売スキル向上の必要性などについてお話を伺いました。

 

講師プロフィール
さくら銀行(現三井住友銀行)、東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)、BNPパリバ銀行で外国為替業務に従事。2011年、2012年にJ-Money誌デリバティブディーラーランキング1位。2015年ヘイルメリーインベストメントを設立し、為替デリバティブ領域で日本企業にセカンドオピニオンやコンサルティングを提供。

 

Q.為替デリバティブを取り巻く環境変化と現状について教えてください

私はデリバティブ業界に20年近く携わっていますが、一つの節目になったのが2008年のリーマンショックです。急激な円高進行で、金融庁の調査によると、為替デリバティブで含み損を抱えた中小企業が約1万9000社に及び、これは国会でも取り上げられるなど社会問題化しました。「円高倒産」「デリバティブ倒産」というワードが飛び交った時代です。その後、金融機関の説明に落ち度があったことを指摘され、金融機関も多額の損失を被りました。その影響で、メガバンクを含めて日本中の金融機関が為替デリバティブから撤退したというのが2010年代前半頃までの状況です。

その流れが変わったのは2013年のアベノミクスからです。ドル円が緩やかに100円台に回復して円安が進行する中で、お客さまサイドから長期の安定した為替ヘッジツールを求める動きが起こりました。慎重姿勢ながらも一部の金融機関が長期ヘッジのニーズに応えるべく為替デリバティブを再開していきました。地方金融機関の中にも、次の収益の柱として為替デリバティブを考えるところも出てきて、ルールを守りながらニーズを拾っていこうという流れになりました。ここ最近は、円安傾向によるヘッジニーズの高まりもあって、どちらかというとアクセルを踏む方向に決断をする金融機関が増えています。収益性が良好なため、ある程度リスクを取っていこうという機運が高まっているところです。

 

Q.金融機関には今どのような対応が求められているのでしょうか。

リーマンショック後には、多額の含み損を抱えた中小企業が途中で耐えきれなくなって期限前解約を余儀なくされるという状況がありました。当時は、期中のお客さまがどんなリスクを被るかという説明がなされていなくて、蓋を開けて初めて分かるという状況だったのです。その後、金融商品取引法の改正で、契約締結前に交付書面で期中のリスクシナリオを説明しなければならない、という販売ルールになっています。例えば、円高が進行すると損失がここまで膨れ上がる可能性があるということをいくつかの視点で説明しなければいけないというルールになっています。しかし、いろんな金融機関の説明を実際聞いてみると、内容が不十分だったり、説明の根拠が欠けていたり、という状況が見受けられます。これからアクセルを踏んでいく相場の状況ですが、一方でディフェンスをしっかり固めてお客様のニーズに対応していく時期にいるのではないかとも思います。

デリバティブの商品組成から販売、契約後のアフターフォローまで一気通貫で携わっている金融機関は一部大手に限られています。商品の最終組成はマーケットメーカーに仲介という形でお任せしているという金融機関が多いです。それはそれでリスクフリーになれるという利点がありますが、それをずっと続けていくと、組成商品の内容に関する知見が深まらずお客さまが実際にどういうリスクを負うのかを把握していないという状況になりかねません。為替業務というのは銀行の本来業務の一つですから、いずれは仲介業務から脱して、自分たちが提供する商品は全て自分たちの技術で組成し、お客さまの為替リスクは入り口から出口まで自分たちの責任でマネージメントできるというところまで向かってほしいと思っています。

 

Q.為替デリバティブの今後の展望についてお話しください。

ここ1〜2年、新商品開発の一環として、為替デリバティブの扱いを始めたり、商品ラインナップを増やしている金融機関と、円安進行によるお客様のヘッジニーズの高まりで、双方のニーズが合致してデリバティブの数字は伸びています。半面、金融機関側の販売技術とヘッジを採用するお客さま側の技術には課題も抱えているのではないかと思います。金融機関の説明スキルに加えて、ユーザー側も採用するヘッジが本当に会社のニーズとリスク耐性にフィットするかどうかなど、双方が技術を高める必要があるのではないかと考えています。私も金融機関側の販売やアフターフォローのスキルアップなどのサポートをしていますが、金融機関側の技術向上とともに、ユーザー側のヘッジスキルの向上も同時に図ることで日本全体のヘッジ技術が上がっていくと思っています。

リーマンショック後に損失を被ったからデリバティブにはもう手を出さないという発想は、技術や知識が不足しているところから出てくるものではないかと思います。よく分からないから取り扱わないのではなく、過去の経験はそれとして、いま一度デリバティブの中身をしっかりと紐解き、為替業務の技術として認識し、有効なツールをリスク耐性のある範囲内で活用していく、という姿勢が大事なのではないかと思います。

導入事例

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