ESG研究所3月末のESGスコア、NGKが首位に 上位10社の7社が1年前と入れ替わる

3月末のESGスコア、NGKが首位に 上位10社の7社が1年前と入れ替わる

アラベスクグループのESG評価サービス「ESGブック」による2026年3月31日時点の日本企業の「ESGパフォーマンス・スコア・プラス(EPSP)」をランキングしたところ、首位は日本ガイシ(5333、4月1日からNGKに社名変更、以下「NGK」と表記)だった。四半期末ベースでは1年前の12位から順位を上げた。上位10社を1年前と比べると、7社が入れ替わった。

 

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ESGパフォーマンススコアはSASB(サステナビリティ会計基準審議会)基準の26カテゴリーで評価する指標(QUICK Knowledge 特設サイトでは「合計スコア」と表示)。「E(環境)」「S(社会)「G(ガバナンス)」の「ピラースコア」と、「環境」「社会資本」「人的資本」「ビジネスモデルとイノベーション」「リーダーシップとガバナンス」の「ディメンションスコア」を算出している。

企業の開示情報に基づく「コア」のスコアに対し、「プラス」のスコアは企業の開示情報にニュースやNGO(非政府組織)の情報を反映しており、更新頻度が高い。各スコアはそれぞれ0から100の範囲で算出され、高いほど優れていることを示す。ここでは「プラス」を取り上げる。

日本企業のEPSPの上位10社(図表1)を1年前と比較したところ、2位のクボタ(6326、2025年3月31日時点は3位)、6位の伊藤忠商事(8001、同6位)、7位のセブン&アイ・ホールディングス(3382、同2位)を除く7社が入れ替わった。3カ月前の25年12月31日時点との比較では首位のNGK、4位の神戸製鋼所(5406)、9位の野村不動産ホールディングス(3231)、リコー(7752)の4社が、11位以下から順位を上げた。上位47社までが70点台と高水準であり、僅差で順位が変動した面もある。

 

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NGKの3末のEPSPは79.75と、1年前の73.73から6.02ポイント上昇した。ディメンションスコアのうち「環境」が90.07と際立っている。1年前は78.12とすでに高水準だった。また「社会資本」も80点台と高い評価を維持している(図表2)。

NGKグループは21年4月に策定した「NGKグループ環境ビジョン」の中で、事業活動を通じた「カーボンニュートラル」「循環型社会」「自然との共生」の実現への寄与を目指して取り組んでいる。統合報告書「NGK REPORT 2025」によると、「第5期環境行動5か年計画2024年度の実績」の自己評価は全項目で目標達成となっている。また、環境NGOのCDPから「水セキュリティ」分野で最高評価の「Aリスト企業」に24年、25年と2年連続で選ばれた。

NGKの3月31日時点の株価は3977円と前年比2.17倍に上昇した。この間、東証株価指数(TOPIX)は31.56%上昇しており、これを大きく上回った。一方、EPSPが1年前の11位以下から上位10社に入った7社のうち、株価上昇率がTOPIXの上昇率を上回ったのはNGKと丸紅(8002)だけで、残る5社は下回った。

短期的に株価とESGスコアの評価は必ずしも一致するとは限らないが、ESGへの取り組みは中長期的に企業価値の向上につながると考えられている。ESGブックは評価機関の1つに過ぎないものの、ESGスコアと株価パフォーマンスがそろって上がった企業の取り組みを追いかける意味があるとみられる。

(QUICK ESG研究所 遠藤大義)

 

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