ESG研究所【ESGブック】世界のESG規制、過去10年で2.5倍に

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ESGブックの最新の調査によると、2001年から10年の間に世界でESG関連の規制が493施行されたのに対し、11年以降の約10年間で、その2.5倍にあたる1,255の規制が導入された。21世紀に入ってから現在までにすると、ESG関連規制はそれ以前に比べ約7.5倍に増加した。

 

 

この調査は、ESGブックのプラットフォームで運営している「レポーティング・エクスチェンジ」から取得した情報によるものだ。レポーティング・エクスチェンジは、ESG関連規制や政策の過去から現在に至る情報やESG関連の開示基準や指標の情報が集約されているデータベースである。1980年以降の世界の地域別ESG関連規制数をまとめたのが上記の図だ。

企業や投資家にとってグローバルな報告開示環境がこれまで以上に複雑になる中、最新の動向を把握しながら、何を、どこで、どのように報告するかを理解することは、ますます困難で時間を要する。レポーティング・エクスチェンジは、世界の80を超える国を対象とし、2,400を超えるESG関連規制をカバーしており、情報は常時更新されている。

ESGブックのダニエル・クリア最高経営責任者(CEO)は「ESG関連規制の支持者は企業が環境への影響、社会的責任、および企業統治について責任を負い、より持続可能で耐性のある世界を構築するための重要な一歩であると主張している。一方、ESG関連規制は企業に過度のコンプライアンスを負担させ、経済成長を妨げる可能性があると主張する批評家もいる」と指摘。そのうえで「市場が持続可能な成果に向けて、より効果的で透明性のある資本配分を求める中、ESG規制の急激な増加は今後も続くだろう」との見解を示している。

(アラベスクS-Ray社日本支店代表 雨宮寛)