ESG研究所【CO2反映指標(2)】炭素調整後の予想PER②

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「炭素調整後の予想PER」は、「スコープ1、スコープ2の合計」と「スコープ1、スコープ2、スコープ3の合計」の炭素排出量を使ってそれぞれ算出し、2つのランキング(降順、昇順で4つの表)を作成した。「炭素調整後の予想PER」の計算式は以下の通り。

炭素調整後の予想PER(株価収益利率)=株価÷1株当たりの炭素調整後の予想純利益(注)

(注)1株当たりの炭素調整後の予想純利益=(予想純利益-内部炭素価格×炭素排出量)÷自己株式を除く普通株式数

(表1)炭素調整後の予想PER(スコープ1,2の合計で算出。8月31日時点。降順)

(表2)炭素調整後の予想PER(スコープ1,2,3の合計で算出。8月31日時点。降順)

(表3)炭素調整後の予想PER(スコープ1,2の合計で算出。8月31日時点。降順)

(表4)炭素調整後の予想PER(スコープ1,2,3の合計で算出。8月31日時点。降順)

排出量は自社の工場などからの直接排出である「スコープ1」、自社で使う電力の発電に伴う排出である「スコープ2」、自社の活動に関連する社外排出分の「スコープ3」から成る。スコープ3には「販売した製品の使用」などが含まれ、製造業では比重が大きい。

内部炭素価格と炭素排出量は、各社が英非営利団体CDPに提出した「Climate Change(気候変動) 2021」に記載した値を、予想純利益は各社が開示した最新の今期予想を使用した。

PERは株価を使って日々算出でき、利益成長の期待が高い会社ほど高くなる傾向にある。業種によって水準が異なり、何倍だから「割高」という基準があるわけでもない。「1株当たりの炭素調整後の予想純利益」は排出量を減らすことで増やすことが可能になる。今回は8月31日時点での株価を使い、降順とマイナスを除いた昇順で、それぞれ上位10社を取り上げた。

【CO2反映指標(3)】予想炭素排出原単位①に続く

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