ESG研究所【CDPフォレストレポート2021】Aリストは花王と不二製油 QUICK執筆の簡易版公開

CDP フォレスト レポート 2021:日本版

英非政府組織(NGO)であるCDPは「気候変動」「水セキュリティ(水資源保護)」「フォレスト(森林保全)」の3分野について世界の企業の環境に関する開示や取り組みを調査して評価したレポートを毎年公開している。QUICK リサーチ本部ESG研究所はCDPのパートナーとして「フォレストレポート日本版」の執筆を担当しており、2022年1月に「2021年のダイジェスト(簡易)版」がCDPから公開された。

CDPは各企業を情報開示、認識、マネジメント、リーダーシップの4段階のレベルを示すスコアを用いて評価し「A」から「D-」の8段階で最終的なスコアを付けている。2021年度のフォレストの分野でAリストに入った日本企業は花王(木材、パーム油)と不二製油グループ本社(パーム油)の2社だった。両社は気候変動、水セキュリティも含め3分野そろってAリスト入りした。

今回のフォレストの質問送付先企業数は211社で、57社から回答があった。質問書では森林減少の要因となるコモディティ別に回答を求めている。木材とパーム油では8割を超す企業がリスクと同時に機会が「ある」と回答。先駆的な企業は、森林コモディティ・リスクの把握だけではなく、ビジネス上の機会に繋げていることが明らかになった。

森林減少を食い止めることは、気候変動を抑えるうえで重要な課題だと認識されている。「QUCK ESG投資実態調査2021」でエンゲージメント(対話)のテーマとして、「森林」は前回調査に比べ回答社数が2倍に増え、機関投資家の関心の高さが浮き彫りになった。企業が原材料の調達などサプライチェーンも含めて適切に対応して情報を開示することが求められている。

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