「LIBOR」は、ロンドン銀行間取引金利(London Interbank Offered Rate)の略称で、融資や社債などの基準金利として幅広く用いられています。世界の主要銀行が、ロンドンの短期金融市場で自行が資金調達する金利を算出機関に報告し、その平均値で算出されているもので、対象の通貨はドル、円、ユーロ、英ポンド、スイスフランの5つです。
2012年、複数の銀行が申告金利を自行に有利になるよう偽っていた不正操作事件が発覚し、信頼性が大きく失墜しました。2017年7月には、英金融行為監督機構(FCA)が2021年末以降のLIBOR公表を保証しない方針を表明し、2021年末で事実上の廃止となる可能性が高まっています。
LIBORの公表が停止されると、融資などの金利やデリバティブ取引における金銭の支払い額の算出ができなくなる恐れがあり、金融市場に混乱をきたす可能性があります。そのため、金融機関や企業などはLIBORを参照する新たな取引を止めると同時に、既存の取引を後継指標に切り替えるといった対応を急ぐ必要があります。