社員インタビューキャリア相談室
「行列のできる相談室」が
社員のキャリア形成を後押し
社内の活性化も促進
Topics
- いつでも誰でも何でも相談できる場所
- 社員に寄り添い、主体的なキャリア形成をサポート
- ひとに話すことが自力解決への糸口に
Q.キャリア相談室の活動について教えてください。
2022年4月の開設以来、23年9月末までで197件、150人が利用しています。年代も20代から60代までと幅広いです。現在、うれしいことに常に予約が埋まっている状態で、「行列のできる相談室だね」と言われています。 これだけ相談が多い理由としては、コロナ禍で在宅勤務が増えて、身近に相談できる人が減っているという点もあると思います。社内で気軽に雑談できる機会も減っていましたので、実際に相談に来た人が「久しぶりに会社で雑談ができた」と言って喜んで帰ってくれたこともあります。
週2回は対面で、その他の日はオンラインで面談しています。予約制で1回45分としているのですが、1時間くらいかかる場合が多いですね。 キャリアコンサルタントの仕事は、相談者に寄り添って共感して、相談者が最終的な答えを見つけるためのお手伝いをすることです。相談者にこちらの考えは押し付けません。今後5年後、10年後、何をやりたいのかを自分で考えて主体的に自分のキャリアを考える、そのお手伝いをするのが相談室の目的です。
私自身、現場も経験して、人事、教育、研修等に携わったので、社内にどういう部門があってどういう仕事をしているか、どんな人がいるかを理解しています。自分が経験しているからこそ、実情に即した幅広い視点でお話を聞いています。 話の中で、自分の意外な面に気づく人や、指摘がとても当たっていると思う人が多いようです。希望者には適性適職(PAT)診断を受けてもらっており、評判がよいです。
Q.実際にどんな相談に来られるのでしょうか。
守秘義務があるので詳細はお話できませんが、相談内容も多岐にわたっていて、若い社員ですと、今の仕事が自分に合っているのか、適性があるのかといった相談が多いです。中堅以降になると社内でのキャリアップはもちろん、異動や転職、国内留学についての相談もあります。今の仕事に迷っていて相談に来ている以上、当然転職を考えている人もいます。
私は会社側でなく、相談者の立場に立って話を聞きます。ただ、今までに転職の相談に来た人で実際に転職した人がいないのは嬉しいです。
50歳くらいになるとマネープラン、60歳以降ですと、キャリアと趣味などのプライベートとの比率をどうしていくかといったライフプランについての相談もあります。女性の場合は、育児や介護といったプライベートな部分と仕事との両立についての相談も多いです。こっちを取ってこっちをやめるというわけにはいきませんので、両立させながら今後のキャリア形成をどうしていくか悩んでいる人が多いです。
Q.相談室の果たす役割、効果についてお聞かせください。
職場の人間関係など、私と話をするだけでは解決できないことも、もちろんあります。制度を変えたり、組織として対応したりする必要がある場合は、私から関連部門と連携します。相談内容については守秘義務がありますので、相談者に対しては「この問題はここに言わないと解決しない」「組織で対応しないと解決しない」と話して、本人の了解を得て対応しています。
ちょっと暗い表情で相談に来た人が、私と話すことで頭が整理されて、自分の中で何が問題なのか、どこを解決すれば自分は前に進めるのか、自分自身で答えを見つけて「すっきりしました」「やる気が出ました」と言ってくれます。「誰にも相談できずにいましたが、話ができて良かったです」と言う人もいます。気軽に第三者に話せる場所があるというのが大事だと思います。
相談室のキャッチフレーズは「いつでも誰でも来てください。些細なことでもいいです。」モチベーションが下がっている人が来る場合が多いですが、そういう社員一人ひとりが少しでもやる気を出すようになり、社内全体を活性化するお手伝いができている効果は大きいと思います。
今後の課題は、管理職層の利用促進です。これだけたくさんの社員が利用しているのですが、残念ながら150人くらいいる管理職の利用はほぼゼロです。最も忙しい層なので、時間がないのが一番の原因だと感じていますが、逆に言えばいろいろな問題を抱え込んでしまっている層だと思いますので、今後利用してもらうための工夫を考えています。 相談業務と並行して、今年1月には管理職向け、4月には新入社員を対象としたキャリアデザイン研修も実施しました。今後も世代ごとの研修を予定していますが、まずは転職してきた社員も含めた若手向けの研修を考えています。