ESG研究所3月末ESGスコア、GSユアサとエプソン躍進 首位は三井物産
2025年04月03日
アラベスクグループのESG評価サービス「ESGブック」による2025年3月31日時点の日本企業の「ESGパフォーマンス・スコア・プラス(EPSP)」をランキングしたところ、ジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ、6674)が5位、セイコーエプソン(エプソン、6724)は8位と、それぞれ1年前の65位、47位から躍進した。首位は1年前と同じ三井物産(8031)だった。
「ESGパフォーマンススコア」はSASB(サステナビリティ会計基準審議会)基準の5領域(ディメンション)と、それを構成する26のカテゴリーで評価する指標(QUICK Knowledge特設サイトでは「合計スコア」と表示)。ESGブックは環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の3本柱である「ピラースコア」と、「環境」「社会資本」「人的資本」「ビジネスモデルとイノベーション」「リーダーシップとガバナンス」という「ディメンションスコア」を算出している。
「プラス」付きスコアは、企業の公開情報に加え、ニュースやNGO(非政府組織)などの情報を反映しており、更新頻度が高い。各スコアはそれぞれ0から100の範囲で算出され、高いほど優れていることを示す。
上位10社を1年前と比べたところ、ともに首位の三井物産、25年3月末2位のセブン&アイ・ホールディングス(3382、24年3月末10位)、3位のクボタ(6326、同2位)、4位の花王(4452、同4位)、6位の伊藤忠商事(8001、同5位)の5社以外は入れ替わった。上位10社の中でスコアと順位が大きく上がったのはGSユアサとエプソンだ。
GSユアサの25年3月末のEPSPは75.98と、前年比9.87ポイント上昇した。ディメンションスコア・プラスでは「ビジネスモデルとイノベーション」が同18.57ポイント高い78.53、「社会資本」は同12.57ポイント高い64.94と、それぞれ上昇が目立った。一方、エプソンの25年3月末のEPSPは74.84と前年比7.25ポイント上昇した。大きく上昇したディメンションスコア・プラスは「ビジネスモデルとイノベーション」と「環境」だった。
両社ともに大幅にスコアが上昇した「ビジネスモデルとイノベーション」は、「材料の調達と効率」や「サプライチェーン管理」など5つのカテゴリーで構成される。GSユアサのウェブサイトで「材料の調達」の関連情報を調べたところ、環境中長期計画で主要製品における再生材料の使用率である「鉛蓄電池の鉛原材料に占める再生鉛量の比率」について25年度目標70.0%以上を掲げ、実績値(基準年度の18年度36.8%、23年度65.7%)とともに開示している。
一方、エプソンのウェブサイトで「サプライチェーン管理」について調べたところ、同社は直接材サプライヤーだけでなく間接材サプライヤーを含む全サプライヤーを対象に外部信用調査機関の情報に基づく「間接評価」とサプライヤーが自己チェックする「直接評価」を実施。直接材主要サプライヤーの評価結果は中期目標(KPI)とともに過去3年の実績を示している。こうした取り組みが評価されているようだ。
この1年間の株価騰落率(25年3月31日と24年3月29日を比較)をみると、GSユアサが24.27%下落、エプソンは9.79%下落だった。この間、ベンチマークとされる東証株価指数(TOPIX)は3.97%下落しており、両社ともそれを下回った。この1年をみると、ESG評価と株価は連動していない形だ。ただ、ESGへの取り組みは中長期的な企業価値の向上に影響すると考えられている。ESG評価が上がった企業とその取り組みについて調べる意味があるだろう。
(QUICK ESG研究所 遠藤大義)