ESG研究所【ESGブック】サステナブル消費を促すきっかけに
2024年06月03日
LINEヤフー株式会社は5月14日、「LINEショッピング」でショップごとのサステナビリティへの取り組みを可視化する「サステナブルマーク」の表示をテスト的に始めた(注1)。同社の発表資料によると、「LINEショッピング」で買い物する際にショップを選ぶための指標の一つになるように、ESGスコアが一定の点数以上のショップに「サステナブルマーク」を表示する取り組みだ。
同資料でLINEヤフーグループは「事業を通じて社会にポジティブなインパクトをもたらすと共に、地球環境や人権の保護を含めた社会課題に向き合い、未来世代に責任を持ったサステナビリティ経営を推進しています」と表明している。今回の試みはその一環とみられる。このショップごとのサステナビリティへの取り組みの可視化にESGブックがESGパフォーマンス・スコア・プラスを提供して協力している。
サステナブルマークは「LINEショッピング」において公式ブランドショップを展開している企業かつESGブックのESGパフォーマンス・スコア・プラスのスコア対象の企業に付与される。ESGパフォーマンス・スコア・プラスは0~100の数値スコアであるが、サステナブルマークは数値スコアを参考に、葉を使った3段階表示(LV1、LV2、LV3)となっている(注2)。最もサステナブルな評価の高いマークは3つ葉のLV3である。
サステナブルマークのベースとなっているESGパフォーマンス・スコア・プラスはSASB(サステナビリティ会計基準審議会)スタンダードの開示項目(5つの領域、26のカテゴリー項目)に従い、26のカテゴリー項目のスコアを出している。各カテゴリー項目には10前後の評価指標を設けており、企業の開示情報とサステナビリティに関する企業のニュース、NGO(非政府組織)やNPO(非営利組織)のリリースから評価を行い、スコアリングに繋げている。サステナブルマークは日本のショップだけではなく、海外のショップにも付与されている。ぜひ「LINEショッピング」にアクセスして、ご確認頂きたい。
今回の「LINEショッピング」によるサステナブルマークはテストとして実施されている。このテスト期間を通じ、消費者に徐々にサステナブルショッピングへの意識が高まり、消費者が購買判断の一つの要因として購買対象の物やサービスを提供している企業のサステナビリティの状況を考慮してくれるようになれば、社会全体もよりサステナブルな方向に向かっていくのではないか。
(注1) テスト終了時期は未定。
(注2)「LINEショッピング」が定めた基準に応じて数値スコアを振り分け。
(アラベスクS-Ray社日本支店代表 雨宮寛)