ESG研究所【CO2反映指標(5)】予想炭素利益率①

ESG研究所

会社が温室効果ガス(GHG)排出量を増やさないで効率的に利益を稼いでいるかどうか比べる方法もある。本業のもうけを示す営業利益をGHG排出量で割って算出する指標である「炭素利益

「利益率」と呼ぶが、パーセント表示にしないで、割り算した数値をそのまま比較する。分子が利益なので、数値が大きいほど環境負荷をかけないで付加価値を高めていると評価できる。

丸井グループ(8252)は2018年度に「ビジョン2050」を宣言し、指標の1つとして、営業利益をCO2排出量で割って算出する「環境効率」を掲げた。同社は「ESGデータブック」でGHG排出量などとともに同指標の推移を開示している。

先行きを占うため、今期の予想営業利益を使った。計算式を整理すると以下のようになる。

予想炭素利益率=予想営業利益(100万円)÷炭素排出量(トン)

この指標は排出量に応じて新たな負担を求められた場合、現状のもうけで賄えるのか、財務の余裕があるのかどうかを示す目安になる。ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)になぞらえた指標と言える。

炭素排出量は、各社が英非営利団体CDPに提出した「Climate Change 2021」に記載したCO2換算排出量を使用した。その値を会社が開示した今期の予想営業利益と比較した。

【CO2反映指標(6)】予想炭素利益率②

QUICK リサーチ本部 ESG研究所