財務実務家のつぶやき一覧

「会計の常識・財務の非常識」

――財務実務家のつぶやき――

 

ビジネスのグローバル化が進展し、売上や利益の過半が海外という日系企業も当たり前の時代となりました。しかし、日本でのビジネス慣行や実務ではあまり意識されない当たり前の常識が、海外では非常識となる場合もあります。同様に、経理会計での当たり前が、財務の視点では当たり前ではないということもあります。


筆者は1980年代から米国で計12年にわたり財務責任者として勤務しました。「どうして、こう発想するのか?」といった場面にたびたび出遭い、新しい経験を自分の常識として取り入れても、帰国後、周りとの共通認識にはならないもどかしさを感じたことが少なくありませんでした。こうした経験から、日本では経理会計の知見はあるが、財務的な発想については「実務経験の場が少なく、十分訓練されていないビジネスパーソンが多い」との思いを強く持っています。対照的に欧米では、専門分野は異なっても、経営幹部としてビジネススクールで基礎的な訓練を受け、財務(ファイナンス)という共通言語を持っているビジネスパーソンが多くいます。


財務の実務家として、約50年の経験から痛切に感じた「日本と米国の財務面での実務慣行の違い」や「会計と財務の発想の違い」について、具体的な事例も交えてコラムを提供することで、皆様の気づきに少しでもお役に立てれば幸いです。

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