導入事例

国立大学法人 福島大学様のQUICK Workstation Astra Managerパッケージ活用術

大学から配分される所定の研究費で柔軟に導入・データ購入 厳しい予算での研究活動に新たな活路

経済経営学類
根建晶寛准教授

国立大学法人 福島大学 根建晶寛准教授
大学には教育と研究という2つの大きな存在意義がある。働く教員は教育者であり、研究者でもある。限られた時間と予算の中で、学生へ付加価値の高い新たな知見を教えながら、自身の研究を研鑽し発表することが求められる。福島大学経済経営学類の根建晶寛准教授は、大学から配分される所定の研究費で「QUICK Workstation Astra Managerパッケージ」(以下、Astra Manager)を短期契約で導入、自身の論文発表につなげた。Astra Managerの活用法や論文作成の経緯などを聞いた。
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QUICK Workstation Astra Managerパッケージ

Astra Managerで7期分の企業データを取得

「2017年の日本会計研究学会で研究報告を発表する前に、QUICKの担当者からAstra Managerの短期契約によるデータ取得の提案を受けました。それまでは所属大学で導入されている他ベンダーによるデータベースから取得していたのですが、追加料金を高く支払わないと分析データが1年分しか入手できないため、苦慮していました。

2018年9月に同学会誌『会計プログレス』に掲載された論文は、Astra Managerから2011年3月期~2017年3月期のデータを取得、11,570サンプルを抽出した内容になっています」(根建准教授)。Astra Managerによるデータで論文の質がさらに上がり、高評価を得た。福島大学は他ベンダーと企業データ取得契約を締結しているが、追加的に高い料金支払いをしないと大量データのダウンロードをしにくい状況にあった。その点でAstra Managerの利便性を強く感じたという。

新会計基準や包括利益の公表義務化は配当にどのように影響するか?

根建准教授の最近の研究テーマは「包括利益」だ。日本企業の連結財務諸表は2011年3月期の決算から、当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)に加えて包括利益を公開することになっている。包括利益は「当期純利益+その他の包括利益」で表される。

「その他の包括利益」には、(1)保有株式の含み損益(2)為替予約やオプションなどの金融商品の時価差額(3)退職給付に係る調整額(4)海外子会社への投資後の為替変動(5)保有土地の含み損益(時限立法)――が含まれる。企業の事業活動のグローバル化が進展したことを受け、本業の儲けをより詳細かつ実勢に近づけて公表することになった。

『会計プログレス』に掲載された根建准教授の論文タイトルは「単体財務諸表上の分配可能額と連結包括利益計算書のその他の包括利益の関係性が企業の配当政策に与える経済的影響」 。

「IFRSなどの新会計基準の導入や包括利益の公表義務化によって、企業行動がどう変わったのかに興味がありました。具体的には、包括利益表示の義務化後の実績値をもとに包括利益が配当にどう影響を及ぼしているか、です」(根建准教授)。

当然のことながら、企業データは2011年から直近まで必要で、連結・単体の財務諸表が作成されており、かつ単体財務諸表の「その他の利益剰余金」と「その他の資本剰余金」の合計額=分配可能額が含まれている等、様々な条件がある。Astra Managerなら、これらのデータを簡単かつ素早く入手できる。

柔軟な契約体制で厳しい予算でも導入実現へ

「Astra Managerのメリットは、安価なのにデータの質量ともに満足できる点です。インターフェイス、特にExcel®へのダウンロードは簡単で見やすいですね」。根建准教授はこう評価する。

根建准教授のAstra Manager活用法で特筆すべき点は、大学や研究室の予算ではなく、大学から配分される所定の研究費によって費用を捻出していることである。そのため、学生への授業でデータを使うことはできない。

「地方の国立大学法人は予算の潤沢な私学と違って、充実したデータベース環境にありません。そのため、年度途中での予算執行をしにくい状況にあります。そこで大学から配分される所定の研究費の活用を考えました。他ベンダーが1年単位の契約が多くて相対的に高価になる中、QUICKさんは柔軟な短期契約を提案してくれました。その対応がとても助かりました」(根建准教授)。

少子化の波は大学運営を直撃しており、各大学とも予算編成に苦労している。経済・金融分野における企業データ購入が以前にも増して難しくなる中で、柔軟な対応と契約体系は研究者にとってベンダー選びの重要な判断材料になるだろう。

研究者の「時間」を有効活用するAstra Managerのスピード

根建准教授の現在の住まいは宇都宮市。そこから週3回ほど福島大学(福島市)に通い、週末に東京・御茶ノ水の明治大学で教鞭ないし専任教員の補助業務にあたる。「移動が大変といえば大変ですが、福島は宇都宮・東京まで新幹線で一本なので通勤が不可能ではありません」。

根建准教授のような若手研究者は、研究や授業を複数の大学・研究機関で行う場合が珍しくない。

移動や研究・授業の準備など、自分の時間をいかに効率良く使うかが研究・授業のクオリティにつながり、ひいては自身のキャリア形成に影響を及ぼす。研究者の「時間」は、研究者自身とそこで学ぶ学生、そして大学・研究機関にとって共通の資源であり、その有効活用は最大の課題のひとつと言える。


会計やディスクロージャー研究において企業データが研究のクオリティに直結するのであれば、データの取得時間の短さ・簡単さも同様だろう。若手研究者の「働き方改革」という意味においても、Astra Managerは大きな強みを持つはずだ。

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若手研究者育成のためにも海外事例研究を福島大学で

「一研究者としては、海外の大学院で研究したり、世界的に有名な論文誌に論文が掲載されたり、自身の研究分野に関する大きな書籍を出版することが目標であることは間違いありません。しかし、現在はここの環境をとても気に入っています。確かに予算は潤沢とは言えませんが、学閥がない自由な校風で学生も向学心がある。私は当面の間は福島大学で今やるべきこと・やれることを追求していくつもりです。特に所属学生とともに人間性の向上、豊かな人生経験をしていきたいです」(根建准教授)。

初めての土地である福島に来た根建准教授だが、今では学生と一緒に震災復興のボランティアに参加したりするなど、すっかり地域に溶け込んでいる。

「将来的には若い研究者の育成に注力したいですね。私も銀行勤務時代や大学院時代に多くの恩師や仲間に助けられました。そのためにも、グローバルに認められるような海外事例を含めた包括利益に関する国際比較研究だけでなく、研究開発費やのれんなどの無形資産研究、M&AやIRなど投資銀行ビジネスに関連する研究を福島大学で進めたいと考えています」。

根建准教授はそう自分の夢を語ってくれた。Astra Managerがその一助になる可能性は高いだろう。

根建 晶寛准教授 博士
1983年生まれ。2009年、一橋大学大学院商学研究科経営学修士コース修了後、三菱東京UFJ銀行(現、三菱UFJ銀行)に当時の総合職(投資銀行・市場コース)として入行。三菱UFJモルガン・スタンレー証券 企業金融推進部 アナリストチーム出向などを経て、2011年に同行退職。2014年、一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了後に現職。2017年8月からは明治大学専門職大学院会計専門職研究科でも教鞭・補助業務を行う。主な研究テーマは包括利益、M&A、無形資産、配当政策、アナリスト予想、倒産企業研究など。
国立大学法人 福島大学
2004年の国立大学法人化にともない「学群・学類・学系制」を導入。理念として (1)自由・自治・自立の精神の尊重(2)教育重視の人材育成の大学(3)文理融合の教育・研究の推進(4)グローバルに考え地域とともに歩む――を掲げる。東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の被災地にある同大学は、発災直後に「うつくしまふくしま未来支援センター(FURE)」を立ち上げ、専門性を活かした支援活動を続けている。
所在地
福島県福島市金谷川1番地
学生数
学部生:4173名、大学院: 261名
(2018年5月1日現在)
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掲載日:2018年12月11日 

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