導入事例

白銅株式会社様のQr1活用術

業界特有の商慣習を踏まえつつ新時代のグローバル経営へ IRの基盤ツールとして導入、業務の見える化をめざす

経営企画部
経営企画課課長
前田禎孝氏

白銅株式会社 前田禎孝氏

非鉄金属からプラスチックまで幅広い素材を取り扱う専門商社の株式会社白銅。同社は2022年7月、金融のプロ向けリアルタイムマーケット情報サービス「Qr1」を導入した。同社が金融情報系のサービスを導入したのは初めて。経営企画部経営企画課の前田禎孝課長にQr1を導入した背景やねらいなどを聞いた。

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Qr1

「合理性と非合理性の見極めが大事」な業界事情

経営企画部経営企画課課長 前田禎孝氏

「当社が『標準在庫品』と呼ぶアイテムはアルミニウムや伸銅、ステンレス、特殊鋼、プラスチックなど5400点以上あります。これらはお客さまのご希望に応じて国内5工場で切断・加工し、最短で翌日には全国どこにでもお届けできる体制を整えています。これが当社最大の強みのひとつといえるでしょう」。

前田課長は自社の強みをそう紹介しながら、「その背景には」として次のように続ける。

「翌日納品を強みとするため、工場の生産・物流管理には長い間、注力してきました。1970年代にはコンピュータによる管理システムを完成させています。いままで蓄積してきた顧客データ、商品データは膨大なものになります」。

前田課長は自社が持つデータの利活用が今後の競争力の源泉になると考え、その構想の前段として、まずはQr1の導入を検討したという。導入決定までのプロセスでは、同社が属する業界と自社の特徴という2つの側面が重要なポイントになった。


前田課長によると、同社は「企業文化や社風で表現すると、合理性と非合理性が共存している会社」。合理性とは、早くからコンピュータシステムを導入し、データに基づく生産・在庫・物流管理を実践してきたことが挙げられる。合理性を追求してきたことで、時代に即した顧客ニーズに対応してきた自負がある。


一方の非合理性とは何か。歴史の長い素材業界などに散見される日本特有の商慣習に由来するものだ。「取引先ごとに異なる取引条件やそれに伴う営業手法の違い、キメ細かいサービス提供、アルミニウムなどの相場商品を取り扱うことに起因する価格決定プロセスの複雑さ」(前田課長)。必ずしも合理的とはいえない諸条件の下でも、競争に打ち勝っていかなければならない。


「合理性と非合理性が共存する会社・業界においてサステナブルにビジネスを進めるには、その見極めが非常に大事になります。これまでは、過去の経験や蓄積されたノウハウで対応することができましたが、今後はどうなるか」(同)。


たとえば、ESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)など、社会から求められる企業の在り方との整合性をどう見出すのか。同社は東京証券取引所の市場改編に際してプライム市場を選択した。流動性確保や株主還元策、環境対応、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、SDGsなどグローバル視点での企業運営が求められる同市場において、社会や市場に対して論理的に説明できる客観的なデータの利活用は急いで対応しなければならない課題である。

説得力のある客観データの入手と株式市場対策

Qr1導入のねらいは大きく2つあったという。

1つめは前述の通り、対外的な説明責任を果たす説得力のある客観データを得るため。同社が取り扱う非鉄金属価格の国際指標はLME(ロンドン金属取引所)だ。今年に入りLMEの非鉄価格が上昇、ボラティリティも高くなった。地金価格は同社の業績に大きな影響を与えることから、LMEの価格が簡単にわかりやすく閲覧・入手できるQr1は絶好のツールといえる。

「最近は特に、価格の透明性や市場との連動性、業績との因果関係が厳しく問われます。IR部門にとって、業績予想は過去データの信頼性と客観的な根拠が欠かせません。QUICKのデータはその意味でも、当社のねらいにマッチしました」。

2つめは、株式市場対応だ。

「プライム上場企業として、自社株の動向はもちろん、TOPIXだけでなく、同セクター(商社・卸売)との株価騰落比較などの視点が不可欠。その点、Qr1は自社株価や各種インデックス、業界、競合他社の株価チェックなどで使いやすいですね」。



図表をクリックすると拡大します。

さらに、同社のIR部門ならではの悩みもあったという。

「経営企画課は発足からまだ4年ほど。もともとはM&Aを含む経営全般の企画を統括推進するため立ち上がったのですが、これらがある程度軌道に乗り、IR業務も本格的に対応することになりました。ご存知の通り、IR業務の内容は多岐にわたり、人員は限られています。しかも、業務の定型化(=見える化)がされていませんでした。その解決のために、まずは基盤となるツールが欲しかった」。

Qr1はインターネットをベースに誰でも簡単に使いこなせる操作性が便利。アナリストや投資家向けの説明に必要な情報も効率よく収集できるようになり、コストパフォーマンスが高い。前田課長は必要なマーケット情報の有無や操作性、問い合わせ時のサポート対応など社内評価を重ね、導入を決めた。

新中計の目標達成と新たな付加価値の創造に期待

「株価やLMEをはじめとした価格チェックは使いやすいですね。データが簡単に取れるので、取締役会や経営会議などでの急な資料作成も対応できます。簡易的な財務分析もすぐに可能。コラムやニュースも面白いものが多く、よく読んでいます」(同)。

同社は2022年5月、2024年度までの中期経営計画を発表した。22年度は売上高・経常利益ともに過去最高を記録したが、本中計では「ダントツの品質」「ダントツのスピード」「ダントツのサービス」「納得の価格」を柱に、さらなる高みを目指すことを明言している。

「主に9つの施策によってビジネスの進化と経営基盤の強化を進め、2024年3月期には売上高718億円、経常利益54億円をめざします。私としては、当社が持つ膨大な過去データの利活用も推進したいですね。たとえば、これまで蓄積してきた顧客データや商品データなどの社内データとQUICKの社外データを組み合わせることができれば、より付加価値の高いデータとして業務効率化や販売促進につながるはずです」。

前田課長はQUICKとQr1に大いに期待を寄せている。




白銅株式会社


工場を持つ非鉄専門商社として顧客ニーズに対応


白銅は2022年で創業90周年を迎えた非鉄金属の専門商社。その最大の特徴は、商社といいながらも国内に5つの工場を保有していることである。単に非鉄素材を販売するだけでなく、顧客企業のニーズに合わせて加工して販売する「オーダーメイドの切り売りサービス」が同業他社との差別化を実現している。


前田課長は「自社工場での加工という“面倒なこと”をやることでお客さまニーズにお応えでき、それが付加価値となっている」と分析している。


もうひとつ、早い時期にコンピュータシステムを導入したことも特筆すべき特徴だ。同社が基幹システムやデータベースの原型といえるシステムを導入したのは1968年。50年以上にわたって、顧客取引における受注実績や支払条件、与信情報などの情報が蓄積されている。取引先向けのオンライン受発注システム「白銅ネットサービス」も提供しており、「社内で蓄積してきた顧客データは今後の競争力の源泉になり得るはずです」(前田課長)。


2022年3月期決算では、売上高554億円、営業利益42億円と、いずれも過去最高の実績となった。23年3月期も増収増益を見込んでいる。22年4月には東証の市場改変により「プライム市場」へ区分変更、同5月には新しい中期経営計画も発表した。業績拡大はもちろん、社会や市場から求められる新たな課題の克服に向けて、さまざまな施策に取り組む考えだ。

会社名
白銅株式会社
会社名(英文)
Hakudo Co.,Ltd.
上場取引所
東京証券取引所 プライム市場
株式コード
7637
資本金
1,000,000千円
(2022年3月31日現在)
設立年月日
1949年11月1日
(創業は1932年2月)
決算月
3月
売上高
554億41百万円
(2022年3月期)
代表取締役社長
角田浩司
従業員数
773名
(2022年4月1日現在)
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掲載日:2022年10月3日

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