エビデンスとファクトの確認に最適 将来見据え利用術に磨き
広報・IR課
マネージャー
福原将之氏
広報・IR課
マネージャー
福原将之氏
福原氏は出勤後、まずQr1の画面を開き、海外の指数や為替の動きを中心に、マーケット状況の全体像をとらえる。注目指標など自社内向けに発信している情報の源もQr1だ。
人材サービス業のクライアント(顧客)は多業種にわたる。中でも飲食業の人手不足は激しく、ディップは頼りにされる存在だ。Qr1には日本経済新聞をはじめとする信頼できるニュースソースからの情報が時々刻々と流れる。顧客企業の業容拡大や設備投資といったポジティブなニュースも、人員削減といったネガティブなニュースもディップの業績を左右する。
Qr1には同業他社を中心に20~30銘柄を登録し、比較対象としている。同じ人材セクターであっても特定の企業の株価が異なった動きをしたときには、投資家が何に反応したのかをQr1で確認していく。
足元や目先の動きだけを気にしているのではない。同業他社と比べた自社株の値動きの確認は、ステークホルダー(利害関係者)への対応に必須だ。株価の動きだけでなく、インターネットには流れていないQr1で掴むニュースや市場参加者が発信する情報は、投資家の反応を確認するために大きく役立つ。
例えばディップが運営する「バイトルNEXT」は正規雇用者向けの媒体だ。しかし「バイトル」の印象があるためか、「非正規雇用の求人情報に強い」というイメージを投資家から抱かれて、正社員向けのメディアも強化している姿勢が投資家に十分届いていないということもQr1の情報を分析してたどり着いた結論だった。これは投資家向け説明会のストーリーを変える大きな根拠になった。
いずれ中期経営計画やESG統合報告書などを策定し、公表する日が来るかもしれない。業界でナンバーワンになるという目標もある。PER(株価収益率)やボリンジャーバンドといった指標もQr1の画面上でにらみながら、その日に備えている。
※1:売上高 2018年2月期
※2:従業員数 2018年4月1日現在の正社員(派遣・アルバイト・役員除く)