導入事例

株式会社シーイーシー様のQUICK FactSet Workstation活用術

充実したサポート体制で導入決定! 競合分析やIRノウハウ継承にも活用中

事業推進本部企画部
IR担当
稲垣一雄氏

株式会社シーイーシー 稲垣一雄氏

株主減少を契機に、IR業務の整理・見直しに取り組んだ株式会社シーイーシー。その新たなプラットフォームとして選んだのが「QUICK FactSet Workstation」(以下、QFW)だ。

導入と活用にあたっては、同社ならではの狙いや視点があったという。事業推進本部企画部IR担当の稲垣一雄氏と佐久間勇介氏に実情を聞いた。

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QUICK FactSet Workstation

6社1年間をかけて選定の結果、QFWを導入

「QFWを選んだ最大のポイントはサポート体制です。先進ICT企業を標榜する当社でも、社員全員のプログラミングスキルが高いわけではありません。QFWに欲しいデータがあることはわかっていましたが、それをいかに早く、少ない工数で情報を整理できるか。それが、当社が求めるサポート体制です」。

QFWはFactSet社との間で立ち上げたQUICK FactSet Joint Sales Team(JST)が営業担当と連携してサポート、コンサルティング業務を支援する。

シーイーシーの企画部IR担当でQFWの導入にあたってリーダーシップを取った稲垣氏は、QFWの導入を決めた背景について、JSTによるサポート・コンサルティング体制を高く評価したことが大きな理由だと説明する。

同社がQFWを導入したのは2020年3月。QFWを含む6社のIRツールを候補に選定した。トライアルを重ね、約1年間をかけて検討した結果、QFWに決定した。

「QFWは当社の要望を上回る高機能なIRツールということが、よくわかりました。我々が使いこなすことができれば、IR活動の強化・効率化に大きく役立ちそうだ、と。そのためには、基本的な操作方法から分析帳票の作成などまで随時、細かいサポートをしてもらえることが重要でした」と稲垣氏は振り返る。
実際のところ、トライアル中から導入後の現在まで、JSTのサポート体制には非常に満足しているという。「わからないことや要望するデータの分析方法、帳票の作成など導入後も継続した手厚いサポートによって、やりたかった情報の整理や見える化がどんどん実現できていますね」(稲垣氏)。期待通りのクオリティだったようだ。

企画部IR担当の稲垣一雄⽒

Excel®との連携とIR支援ツールの機能も

導入の最大のポイントだったサポート体制以外にも、重視したポイントが2つあった。
一つ目はExcel®との連携とその使い勝手の良さ。さまざまな分析帳票を作成する際、その自由度が高い方がいいのは当然だろう。二つ目はIR支援ツールの機能が充実していること。QFWは担当者の事業分析スキルを補完できるような、KPIとなる財務指標の多くが用意されている。

「当社に限らず、データベースとExcel®との連携はデータ分析をするうえで欠かせない条件だと思います。QFW導入の大きな理由の1つとして強調したいのは、競合他社の分析結果データの一括ダウンロードです」(同)。

競合他社との比較分析で中計作成にも寄与

同社のIR活動は稲垣氏の所属する企画部と経理部がそれぞれ担っている。「経理部はBS/PLなど数値の集計と前期比較などの分析帳票を作成、企画部は集計された数値と事業内容をもとに現状分析を担当しています」(同)。

企画部は決算短信や有価証券報告書の定性文章や決算説明会資料も作成しており、中期経営計画(中計)の策定にも当然ながら深く関与している。稲垣氏によれば「定性文といえども根拠のない内容は公表できません。裏付けとなるデータがあってこその公表資料ということです。ここでもQFWを大いに活用しています」。


「株主向けのコミュニケーション資料作成ではQFWは欠かせないツール」と解説する企画部IR担当の稲垣一雄氏(右)と佐久間勇介氏

中計では今後3年間の市場を見通し、競合他社の動きも予測しながら経営戦略を定め、実行していくことが求められる。言い換えれば、自社と市場、競合他社とを客観的かつ正確に比較できなければ、中計は絵に描いた餅になってしまう。

同社は2022年3月に新しい中計を発表する予定だ。計画策定ではQFWを競合他社の定量分析に活用している。具体的には、独自に選んだ競合他社の主要財務指標をQFWから一括ダウンロード。新製品や技術開発などの定性情報を加味しながら時系列に整理し、過去から現在への変化を比較分析する。

「QFWの導入で、より多くの企業との比較が簡単になり、経営層に対して充実した判断材料を提供できるようになったと思います。さらに、比較分析した資料を基に株主や機関投資家向けに決算情報をわかりやすく説明するシナリオ作成も実現しました。数値面から自社の強みや弱みを明らかにできるので、資料の説得力も上がったはずです」(同)。

競合他社との客観的な比較が簡単にできるようになったことで、広義の「攻めのIR」を実行できるようになったわけである。

IR業務の見える化・仕組み化に貢献

2020年にQFWを導入した同社だが、IR活動を本格的に強化し始めたのは2018年。株式分割によって株主が増えたことがきっかけだった。当時もIR支援ツールを使ってはいたが、国内の機関投資家情報に限定していた。さらに大きな課題となっていたのがIR業務の「属人性」である。

「IR業務が個人の能力やノウハウに依存する部分が多いのはわかっていましたが、当社の場合は担当者の高齢化も課題でした。後継者の育成が急務だったわけです。当時は帳票類の入力も手作業が多く、『このまま若手に引き継ぐわけにはいかない』と考えました」(同)。

稲垣氏は、若手社員にノウハウを継承するには、手作業を極力排したプラットフォームが不可欠だと感じたという。簡単かつ正確に入手できるデータを共有言語にすることで、属人的なノウハウの「見える化・仕組み化」も進む。


Excel®テンプレート株式保有状況

若手担当者の「考える時間」を創出

実際、QFWを導入してどうなったか。ノウハウ継承を託された企画部IR担当の佐久間勇介氏は次のように語る。

企画部IR担当の佐久間勇介氏

「データの収集や整理が簡単にできるので、考える時間を多くつくることができます。IRの仕事は基本的にアウトプット。そのための新たな視点を見つけることに集中できます。IR業務の面白さを日々感じています」。

QFWは若手社員の働き方改革や採用促進にも役立つ側面があるようだ。

今後、稲垣氏は新規の機関投資家へのアプローチにもQFWを活用する考えだ。競合他社の株式保有状況をQFWから把握し、開拓先としてリストアップするという。同社は高機能なQFWを使いこなすため、同社独自のマニュアルを作成している。このマニュアルは同社のIRに対する考え方や哲学がベースとなっており、積み上げてきたノウハウや知見の継承にも役立っているようだ。

一方で、企画部だけでなく経理部のIR担当ともQFWから取得した情報を共有している。「経理部は社内データの宝庫ですから、その情報やノウハウをIR活動に有効活用できるようにしたかったのです。この点もノウハウ継承につながると思っています」(稲垣氏)。

QFWは日々の業務効率化から社内の部署間連携、さまざまなノウハウの伝承など実に多くの場面で活躍しているといえそうだ。

 

 

 

Excel®テンプレート作成マニュアル
株式会社シーイーシー

「デジタルインダストリー事業」と「サービスインテグレーション事業」の大きく2つを手掛ける。前者は製造業を対象に、業務の効率化や品質の向上、魅力ある製品づくりを支援するICTサービスを、後者は企業・組織の業務改革・改善に必要なICTサービスをトータルでそれぞれ提供する。

売上高の4割が製造業分野の企業との取引で、日本の製造業の現場を熟知しているのが強みだ。また、中規模ながらICTの導入コンサルティングから、インフラ構築、アプリケーションの開発、システムの保守・運用、アウトソーシングまで、一貫したサービスを提供できる技術基盤を保有していることも特長だ。

「個々のサービス提供で得た知見をパッケージ化(商品化)しているのが、『スマートファクトリー事業』や『セキュリティサービス事業』などの注力事業領域です。長年お客さまと共にシステムを築き上げてきたノウハウの集大成が企業成長の推進力になっています。」(稲垣氏)

2015年からの2期6年に渡る中期経営計画で売上高は14.7%増、経常利益は82.9%増となり、売上高経常利益率は4ポイント高い10.7%になった。主に事業構造の改革と生産性の向上に注力した結果、2021年1月期でROEは12.4%と2018年策定の第2期中計の目標である12%以上を達成した。コロナ禍の影響を受けた2021年は、さらなる効率性の向上と規模拡大の両方を目指す中で、従来は確保・維持を方針としてきた人材戦略を転換。新卒・中途採用を問わず、社員数の増強に努めてきた。

今後は変化に適応した経営基盤を強化しながら、成長分野の追求も推進する方針だ。
会社名
株式会社シーイーシー
会社名(英文)
Computer Engineering & Consulting Ltd.
上場取引所
東証第一部
株式コード
9692
資本金
65億8千6百万円
(2021年1月期)
設立年月日
1968年2月24日
決算月
1月
売上高
480億3百万円
(2021年1月期)
代表取締役会長
代表取締役社長
岩﨑 宏達
大石 仁史
従業員数
2,260名
(2021年4月1日現在)
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※Excelは、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

掲載日:2022年2月1日

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