外国為替市場のメカニズムを理解し、ヘッジ技術を磨こう!

貿易立国日本において企業が保有する為替ポジションのリスクをヘッジする戦略は重要決定事項です。多くの企業にとって為替リスクのヘッジは本業ではありませんが、ヘッジ技術を向上させることで為替差損を回避し、企業自体を守り、ひいては日本社会を豊かにすることにつながります。

 

為替リスクをコントロールする手段は大きく3つあります。一つ目はオープンと呼ばれ、資金決済の当日に為替取引を行うもの(今日物)で、未ヘッジ状態を意味します。二つ目は為替予約で、将来の決済期日に合わせてヘッジを行うもの。三つ目が通貨オプションやクーポンスワップ等の為替デリバティブ取引です。各手段の配分は企業それぞれですが、これら全ての道具の使い方を理解した上で割合を決める企業と、使い方を知らない道具がある企業とではヘッジ可能な領域に差が生まれ、結果も異なります。

 

リスクヘッジの巧拙はそのまま企業業績に直結します。為替差損が発生して業績が落ち込むと、「相場環境が想定外だった」という趣旨のコメントを見聞きします。本当に想定外だったのでしょうか。3回にわたる当コラムでは皆様と一緒に外国為替市場のメカニズムを理解し、ヘッジ技術を磨き、「想定外」を「想定内」に変えていきたいと思います。

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