人的資本経営とは？企業価値を高める取組と開示

岸田政権の「新しい資本主義」のもと、「人的資本」への取り組みが加速しています。「骨太方針2022」では「人への投資」を中核に据えた成長戦略が描かれました。

2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードでは、「中長期的な企業価値向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針をその実施状況と合わせて開示」「人的資本や知的財産への投資等について、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ分かりやすく具体的に情報を開示・提供人材育成方針」と記述され、有価証券報告書における開示も義務化されていく見通しです。

ESG（環境・社会・ガバナンス）の中でも取り組みが遅れていた「S(社会)」において、様々な情報があふれだし、企業に対して急ピッチな取り組みと開示が矢継ぎ早に求められるようになってきました。大量の情報の海に飲み込まれ、企業の中からは何から手を付けていけばよいのか分かりにくいとの声も聞こえてきます。

本コラムでは、企業の「人的資本」経営において取り組むべき3つの重要なアクションについて3回に分けて考えていきます。