コロナ禍の終息時期が見通せない中、業績予想をどう開示すればよいか

2020年はコロナ禍の影響で経営環境の不確実性が高まり、日本企業の業績予想に変化が見られました。業績予想の開示割合は9割以上から4割程度まで大幅減少し、幅をもたせた予想(レンジ予想)の開示数も増えました。東日本大震災の発生直後ですら8割の企業が特定値の予想(ポイント予想)を開示していたことを考えると、コロナ禍の影響がいかに大きかったかということがわかります。
海外に目を向けると、米国企業の9割がレンジ予想を開示しています。米国企業はなぜレンジ予想を好むのでしょうか。米国企業のレンジ予想は日本企業のそれと異なるのでしょうか。投資家やアナリストなどの情報利用者はレンジ予想にどう反応するのでしょうか。
著者はIFRS(国際財務報告基準)、企業開示制度改革、ガバナンス改革の効果・影響を主に資本市場の視点から研究しています。今回は日米企業を対象に、不確実性下の業績予想の開示方法とそれに対する情報利用者の反応について、エビデンス(科学的証拠)に基づき考察します。

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