一言で言うなら私はこんなアナリスト
将来の夢を買う個人投資家を
念頭に分析しています
QUICK
企業価値研究所
シニアアナリスト
化学・繊維セクター担当
伊藤 健悟
QUICK
企業価値研究所
シニアアナリスト
化学・繊維セクター担当
伊藤 健悟
化学を中心に繊維やトイレタリー、化学メーカーの子会社の製薬企業も担当しています。多くの大手化学メーカーがこれらのビジネスも手掛けているからです。
化学セクターは「二つの顔」を持っています。一つは重厚長大な昔ながらの石化製品(プラスチックなど)分野で、プラントや工場のイメージ。もう一つはフォトレジスト(感光性樹脂)やウエハーなどに代表される電子材料分野です。
日本には、電子材料分野で世界に伍して戦える国際競争力の高い企業が数多くあります。2019年8月に韓国への輸出規制で話題になったのも頷けるところ。当然のことながら競争は激しいですが、自動車とともに日本を代表する産業と言えるでしょう。
化学メーカーは、成長市場の電子材料分野やヘルスケア分野などに軸足を移しつつあります。伝統的な石化製品では、巨大な生産地かつ市場でもある中国や米国に追いつけないことは明白です。「電子材料を中心に、新たな強みをどこに見出すか」が問われています。
成長分野に軸足を移しつつも、事業基盤である石化事業の業績はよく見ています。まだまだ売上規模が大きく、会社全体の収益を左右する部分であり、同業他社と比較しやすいからです。加えて、会社独自の強み・弱みも注視しています。
強みは、電子材料などで伸びる事業を持っているかどうか。それは製品に限りません。例えば「半導体やディスプレイ事業に強い台湾や韓国の企業と強固なパイプを持っているかどうか」なども大事な情報です。
このセクターは事業の幅が広いので、そう簡単に隠れた強みを見つけることはできません。逆に、それを見つけるのがアナリストの仕事の醍醐味だと思っています。
時代によって経営者の考え方が変わり、IR担当者の世代交代が進んだこともあり、IRへの取り組みは大きく進化したと思います。質問に対して親身に回答してもらえるケースも増えたように感じます。
一方で改善の余地がないこともありません。企業によっては、トップが代わるとこれまで開示していた情報が出てこなくなったり、ネガティブな内容のレポートを書くと取材が難しくなる、などという話を聞くことがあります。
最も切実な問題は、説明会の開催スケジュールが重複することです。決算日などの関係で開催日が近くなるのは仕方のないところ。同じセクターのIR担当者同士は日ごろから交流があると思います。事前に調整してもらえると、より多くの企業の説明会に参加でき、レポートのさらなる充実につながるのですが。
こんなところも見ています!?アナリストの5つの本音
大阪大学経済学部卒業。山一證券入社、メリルリンチ日本証券を経て現在に至る。
山一在籍時は個人向け営業に従事。マクロ、ミクロの両面からの事業環境・経営状況の分析に加え、その際に培った個人投資家の視点も重視しつつ、レポート作成や講演などを行うことを心がけている。
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掲載日:2020年2月5日