一言で言うなら私はこんなアナリスト
医薬品業界と個人投資家の
「架け橋」になりたいと考えています
QUICK
企業価値研究所
シニアアナリスト
医薬品セクター担当
真下 弘司
QUICK
企業価値研究所
シニアアナリスト
医薬品セクター担当
真下 弘司
最初に医薬品セクターの担当になった時は相当苦労しました。使われる言葉が外国語ばかりで、しかも省略された専門用語が多かったからです。現在もそれは変わりません。担当して20年くらいのキャリアでも中堅クラス。それくらい専門性が高いセクターといえます。
株価は新薬開発に反応します。しかし、何十年という時間と巨額の資金を投下しても製品にならないことは珍しくありません。
例えば、小野薬品のがん免疫薬「オプジーボ」やエーザイのアルツハイマー型認知症薬などは記憶に新しいところです。
日本政府は2017年6月に閣議決定した経済財政運営の基本方針「骨太の方針」によって、薬価が低いジェネリック(後発)医薬品を拡大させることを決めました。薬価制度に守られていた医薬品セクターが、大転換することを余儀なくされました。
医薬品セクターは特に、グローバルな競争が激しく合従連衡も活発です。現在でも将来の見通しは見えづらいでしょう。しかし、その中でも変わらない真理があります。
医薬品メーカーは特許が命。特許を取れば大きな成長が期待できる一方、特許が切れればどんなに多額の売上があっても収益力が急降下することは避けられません。つまり、「新薬を継続して開発・発売できる企業が間違いなく強い」ということです。
転換期を迎えた日本の医薬品セクターでは、各社とも収益モデルの再構築を進めています。M&Aで拡大路線を進むのか、外資傘下で日本市場に特化するのか、他業種との協業や他の選択もあるのか、などです。私は「医薬品セクター各社が特許のジレンマをどう乗り越えるのか」を見ています。
私が医薬品セクターの担当になった当初から、IRのクオリティは非常に高いものがありました。中期経営計画と足元の数字だけでなく、パイプライン(医療用医薬品候補化合物、新薬候補)の話もIR担当者からしっかり聞くことができました。
最近でもそれは同じです。しかし、ガバナンスコード(企業統治指針)の遵守などによって内規が増え、聞くことができない話が増えています。
グローバル化が完全に浸透しているセクターなので、世界レベルのパイプライン情報や市場動向の情報を持っていないと正確な調査分析は難しくなります。
海外の情報をいかに正確かつ素早く入手できるか。そのためのネットワークを持つことは、医薬品メーカーだけでなく当社にも問われる課題です。
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2000年から現職。医薬品・食品等を担当。レポート作成に際しては、会社側開示情報に基づく数値分析に、個別取材等の足で稼いだ情報を加えて、平易な文章で誰が読んでもわかるようにと心がけている。業績のほか、ESG(環境・社会・企業統治)などの観点からも企業を評価できないか模索中。
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掲載日:2019年12月2日