QUICK短観 米相互関税の引き下げ影響「限定的」約6割、参院選後の政権には「積極財政」期待【8月調査】

8月の「QUICK短期経済観測調査(QUICK短観)」(調査期間:7月28日~8月6日)では、7月下旬に合意に達した日米関税交渉が企業にどのような影響を与えるかや、参院選後の政権に期待する政策について聞きました。

 

日米関税交渉が7月22日に合意に達しました。日本が米国に巨額の投資枠組みを提供する一方、米国は日本に課す相互関税の税率を従来発表の25%から15%に引き下げました。自動車関税の税率も15%に下がりました。今回の合意が回答企業の事業にどのような影響を与えるかを聞いたところ、「影響は限定的」との答えが全産業で59%という結果となりました。「マイナス」「ややマイナス」との回答は計22%。「プラス」「ややプラス」は計16%でした。

 

業種別にみると製造業、非製造業ともに「影響は限定的」が6割程度で最多回答だった点は同じでしたが、ほかの答えに傾向の違いがみられました。製造業はプラス評価がマイナス評価より多かったのに対し、非製造業はマイナス評価のほうが目立ちました。モノの対米輸出が多い製造業にとって関税率が想定より低めに決まったことは朗報と受け止められたようです。半面、米関税政策の定着による内外経済の先行き不透明感が非製造業の見通しを暗くさせた可能性があります。

 

 

7月20日の参院選で自民・公明の与党が大敗し、昨年の衆院選に続いて総議席数で過半数割れとなりました。参院選後の政権に最も期待する政策を選択肢の中から1つ選んでもらったところ「物価高対策などの積極財政」が一番多く37%となりました。次いで「財政再建」と「半導体や生成AIなど戦略分野への投資促進」が18%で並びました。

 

自由記述のコメントでは「財政を健全にし、不安の払しょくを図るべき」「安定政権を築いてほしい」「社会保障の安定化へ向けた取り組みを進めて」など、経済・社会の安定や安心を求める意見が多くみられました。

 

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掲載日:2025年8月13日

 

 

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