QUICK短観 株主総会前の有報開示要請「対応未定・検討中」7割、困惑の声も【4月調査】

4月の「QUICK短期経済観測調査(QUICK短観)」(調査期間:4月1~10日)では、国内上場企業に対する株主総会前の有価証券報告書(有報)開示要請にどう対応するかや、2026年春卒業予定者の採用計画について聞きました。

 

加藤勝信金融相は3月28日、国内の全上場企業に対し、人的資本など企業の非財務状況も記載した有報を今年から株主総会開催日の前日ないし数日前に提出・開示するよう文書で要請すると発表しました。義務ではなく要請という形式です。企業に「どのように対応するか」を聞いたところ、回答者の73%が「未定・検討中」という結果になりました。

 

有報の総会前開示を巡っては、かねて企業側の作業負荷の高まりが課題とされていました。自由記述では「他社の対応を見ながら進めたい」「(今年の作業の)スケジュールが固まっている段階で要請され困惑している」「金融相は実務の状況をよく理解されていない」など多くの意見が寄せられました。

 

前向きに対応する企業もあります。「今年から総会前に開示する方針」との回答は10%、「今年からは難しいが、来年以降に総会前開示を目指す」が12%となりました。「すでに総会前に有報を開示している」企業も4%でした。

 

 

4月調査では新卒採用計画についても聞きました。2026年春卒業予定者の採用は25年春と比べてどのようにする計画かを聞いたところ、今年より「増やす」が30%、「横ばい」は51%、「減らす」は3%となりました。1年前に聞いた同じ質問への回答結果と比べると「増やす」は6ポイント低下、「横ばい」は10ポイント上昇、「減らす」は1ポイント上昇しました。企業の人手不足感はなお強いものの、新卒採用への積極姿勢はやや落ち着いています。

 

「その他」として「4年くらい前から新卒採用を止めている」と回答した企業もありました。中途採用など、新卒にこだわらない採用形態が広がっている面もありそうです。

 

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掲載日:2025年4月16日

 

 

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