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物言う株主、株主還元強化を要求 東証取引延長で決算発表「遅らせる」22%【6月調査】

6月の「QUICK短期経済観測調査(QUICK短観)」(調査期間:6月3~12日)では、物言う株主(アクティビスト)から受けた要求についてや、東京証券取引所の取引時間延長を受けて決算発表の時間をどのようにするかを上場企業に聞きました。

 

上場企業の株主総会ピークが近づくなか、アクティビストの活動の活発化が話題になっています。今年開催の株主総会に関連して、アクティビストから何らかの要求を受けたかを聞いたところ、「はい」と回答した企業は3%でした。

 

具体的な要求の内容としては、増配や自社株買いなど株主還元策の強化が目立ちました。PBR(株価純資産倍率)の改善など市場での評価の引き上げを迫る要求もあったようです。

 

 

東証は11月5日から株式の取引時間を30分延長し、取引終了時刻が15時から15時半に後ろ倒しになります。取引時間の変更に伴い決算発表時刻をどうするか聞きました。日本では15時直後の決算発表が多く、これらの企業の対応が焦点となります。

 

最も多かったのは「現在15時半以降に発表しており、それを継続する」との回答で30%を占めました。発表時刻が15時半以降の企業は現状を維持しても開示が取引時間中にずれ込むことはないため、対応方針を早期に固めやすく回答割合が高まった面もありそうです。今回、26%の企業が「未定・検討中」を選択しています。

 

取引時間延長の影響が直撃する15時発表企業の回答に目を向けると、「現在15時の取引終了直後に発表しており、延長後は15時半以降に発表を遅らせる」とした企業が22%となりました。一方、「取引終了後だった発表を取引時間中に移す(15時発表のまま変更しないケースを含む)」は5%にとどまっています。現在のところ、取引終了後の発表にこだわる企業が多いことが明らかになりました。取引時間中への移行が進まなければ発表の集中が一段と進み、投資家にとってかえって不便になる可能性もあります。

 

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掲載日:2024年6月24日

 

 

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