令和のビジネスにも通じる
 渋沢栄一「士魂商才」

令和のビジネスにも通じる渋沢栄一「士魂商才」

 

今日の日本は社会環境の変化とともに、ビジネス社会がさらなるデジタル化、DX化の変革期を迎え、未来に向けた指針を見出そうとしています。
加えて、世界的な流れでもあるESG(環境、社会、ガバナンス)への積極的な取り組みやSDGs(国連サミットで採択された持続可能な開発目標)に対する注目度も高まっています。ESG、SDGsが掲げる「経済や環境、社会や制度のシステムを上手に機能させて先進国も途上国も分け隔てなく世界の未来が豊かで幸せであり続けるよう努力する」という目標や指針は、実は「日本の資本主義の父」「実業界の父」と呼ばれる渋沢栄一の原点とも言える思想や理念です。

 

渋沢が掲げた理念の根底には「真正の利殖は仁義道徳に基づかなければ、決して永続するものではない」という「道徳経済合一説」が存在します。自分の利益だけにこだわっていては、企業も事業も継続できないという思想です。
一見、対極の関係にあるような道徳と商売・経済が、実は結びついている。それを渋沢は「士魂商才」という言葉で表現しています。

 

渋沢が中国の古典「論語」から学んだ「士魂と商才は結びついている」という思想や理念は、ESG、SDGsの世界的潮流のなかにありながら、先の見えにくい時代を迎えている今だからこそ、求められているように感じます。

 

4月にスタートする当コラムは、企業やビジネスパーソンである個人が先へ進むための指針となる渋沢の思想や理念に触れつつ、先の見えない時代をどのように進むべきかについて専門家の解説も交えながら考察していきます。

 

 

今後の渋沢栄一コラム

Vol.1 1世紀もの時を超え今も生き続ける「士魂商才」とは

Vol.2 「論語」はビジネス社会、全ての人に共通する教訓

Vol.3 大きな志と小さな志の融合と調和

 

 

鈴木 ともみ氏

経済キャスター、国士館大学政経学部兼任講師、早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員、Jazz EMPアンバサダー、総合芸術舞台『一粒萬倍 A SEED』アンバサダー、日本記者クラブ会員記者、FP、パーソナルカラリスト。

埼玉大学大学院人文社会科学研究科経済経営専攻博士前期課程を修了し、経済学修士を取得。

地上波初の株式市況中継TV番組「東京マーケットワイド」や「Tokyo Financial Street」(STOCKVOICE TV)にてキャスターを務める他、TOKYO-FM、ラジオNIKKEI等、ラジオ番組にも出演。

国内外の政治家、企業経営者、ハリウッドスター等へのインタビュー多数。主な著書『資産寿命を延ばす逆算力』(シャスタインターナショナル刊)、『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。

 

 

 

掲載日:2021年3月12日

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